【校長のつぶやき】他者への想像力(令和4年11月14日・月)
- 公開日
- 2022/11/14
- 更新日
- 2022/11/14
校長のつぶやき
午後から秦野へ出張に行きました。「神奈川県公立小学校管理運営研究会・川西地区公立小学校長会研究大会(秦野大会)」です。(「川西地区」とは相模川より西の6市12町です。)
その大会で、講演会があり、劇作家・演出家である横内謙介さんのお話を聞きました。演題は「感動が人を結ぶ、劇的コミュニケーションのススメ」です。講演会の中で、ホール内の席に座ったまま、実際に私たちも演じてみる機会も設けられ、楽しい講演会でしたが、印象に残った言葉として、「他者への想像力」が大事だという言葉がありました。
ちょうど、今朝の朝会で、私も子供たちに「相手にとってどう感じるかを想像することが大事」という話をしたばかりです。演技や疑似体験を通して、どう感じるかが大切だということでしたが、人とコミュニケーションをとるうえで重要なことだと私も考えています。
教科では、国語や道徳、社会科などでそれぞれの立場の思いを考える機会があります。疑似体験をするために動作化を取り入れたり、道徳の授業では役割演技〈ロールプレイング〉という活動を取り入れたりすることがあります。読書で物語などを好んで読む子は登場人物の感情を想像しながら読むことに慣れています。
以前にも、本欄で触れたように、本校の校内研究で取り組んでいる「学び合い」も、相手の気持ちや感情を考えることと密接な関係があります。
休み時間等に友達との間にトラブルがあれば、必ず相手の気持ちを想像させたうえで、児童指導を行います。こういう経験を繰り返し、乗り越えることで、他者の気持ちを想像しながら接することができるようになるので、私はけんかやトラブルも貴重な体験だと思っています。生活科の学習では、遊びを中心に活動が展開されることが多いのですが、ここでもトラブルが生じます。友達とどう折り合いをつけるか…これは就学前の幼児教育でも大事にされていることです。
その子の特性により、人の気持ちや感情を想像することが苦手な子もいます。支援級などでは、ソーシャルスキルトレーニング(SST)といって、社会で人と人とが関わりながら生きていくために欠かせないスキルを身につける訓練をすることもあります。
社会の中で生きていくうえで、他者への想像力は、ぜひ身に付けさせたい力です。リモートではできない活動、学校だからこそできる教育活動とも言えるかもしれません。演技の経験も価値がある…と、今日の講演会であらためて感じました。