【校長のつぶやき】効果的に励ます言葉・続編(令和7年7月23日・水)
- 公開日
- 2025/07/23
- 更新日
- 2025/07/24
校長のつぶやき
昨日の、「校長のつぶやき」の続きです。
すでに、夏休みの宿題に取り組み始めている子もいるでしょう。
そのような中、次のような状況に直面することがあるかもしれません。
昨日のシーン別の続きです。
2.難しい課題を目の前にして「できるかな?」と自信をなくしているとき
△「失敗してもいい。取り組むことが大事なんだよ。」
…失敗への恐れを和らげ、挑戦を応援する姿勢という意味ではいい言葉がけだと思います。
取り組むことが重要であること、失敗は問題ではないことを伝えることは非常に価値あることです。
→さらによい声かけをするならば、「本当はうまくやりたい」という気持ちに寄り添うために、
「うまくやるためにどう工夫できるか」「どんな準備をすれば大丈夫だと思えるか」を一緒に考える言葉を追加すると効果的です。
×「これができたらお小遣いアップしてあげる」
…一時的なモチベーションを高める効果はあるものの、子供が課題そのものの価値ではなく「ご褒美」だけを目的に頑張る状態に陥りやすい点が課題です。
心理学でも、外発的動機づけに頼りすぎると、自分で課題を好きになったり、意義を見いだしたりする力が育ちにくいとされています。
×「これができなくても、他のことができればいいのよ。」
…子供の視点では、「本当はそれをできるようになりたい」という思いを軽視されたように感じる場合があります。
→課題を回避せず、「できるようになるまで試行錯誤する」態度が大切なので、「できないところを一緒に考えようか」「どう工夫したらうまくいくかな?」と声をかけ、本人の挑戦心を尊重したサポートすると、長期的な自信にもつながりやすいでしょう。
×「そんな簡単なこと、あなたならできるはずよ。」
…子供に対して必要以上にプレッシャーを与えることはもちろん、もし思うような結果にならなかった場合、この言葉は子供が持つ自己効力感や自尊心を大きく傷つける可能性があります。
「自分はできない」と信じるようになると、子供が次の挑戦を恐れ、成長の機会を避けるようになることがあるそうです。子供が失敗を恐れて挑戦を回避する傾向が強まる可能性があります。
×「あなたは○○が苦手だから、(他の)□□を頑張れば?」
…「好きなこと」「得意なこと」をやることで、子供は集中力を発揮し、能力が伸びやすいという側面は確かにあります。しかし、この声かけは、幼い子供に早い段階で「苦手」という観念を植え付け、「(○○について)自分は努力しても伸びない」というネガティブな思いを形成してしまい、可能性を最初から制限してしまうことにつながります。
→現在の能力がこれ以上伸びないと錯覚させるような表現は使わず、「まだうまくできないだけ」という感覚で関わってあげることが大切です。
よかれと思って発した励ます言葉が、逆効果になってしまうのはもったいないです。
昨日の「校長のつぶやき」でも触れた基本の2つ…
1.子供が頑張ったことを具体的に伝える
例えば、「計算のやり方を工夫したんだね」「最後まであきらめなかったね」など。
結果より「努力」や「工夫」をほめることで、子供が挑戦し続ける意欲を育てられるそうです。
2.子供の気持ちに寄り添ってから励ます
「そう思ったんだね」「悔しかったね」と言葉にし、寄り添ってから励ますと、子供は「理解されている」と感じ、安心して前向きに行動しやすくなるそうです。
をもとに、NG例をヒントに改善してみるといいかもしれません。
昨日と本日の内容は、心理学や脳科学を融合させることで人それぞれの持つ能力を最大限に引き出す、独自の能力開発メソッドを確立された井上顕滋さんのお話の受け売りです。
このとおり実践すればすべてうまくいくというものでありません。
あくまで参考の一つとしてとらえていただければと思います。