【校長のつぶやき】アンガーマネジメント(令和6年9月4日・水)
- 公開日
- 2024/09/04
- 更新日
- 2024/09/04
校長のつぶやき
「アンガーマネジメント」という言葉をご存じでしょうか?
「怒りの感情」を管理・コントロールするためのスキルと言えばいいでしょうか。
本日、読んでいた新聞に、「我が子に中学受験を考えている親が、自分の思うように我が子の学習が進まないために、焦りから怒りへと感情が変化し、我が子につらい思いをさせてしまうことがある。そのようなときにアンガーマネジメントのスキルが有効である。」といったような特集記事が掲載されていました。
今日は、この記事をきっかけに、「アンガーマネジメント」について考えてみようかなと思いました。
実は、昨日の放送朝会でも「平和を追究するためには、互いの違いを認め、話し合い、自分の考えを見直し、仲間と協力して何か一つのことを成し遂げるが大事」という話をしながら、「友達と過ごしていると、自分の思い通りにいかなかったり、何か気になることを言われたりされたりしてイラっとすることがあるかもしれない。そういう時に自分の怒りの気持ちをいかに静めるか」といった話もしました。
その後、休み時間に6年生の教室の前を通りかかったとき、ある児童が「校長先生、イラっとした時に抑えることが大事なんですよね。今、それをしています。」と半分笑顔で話しかけてくれました。
私の話をちゃんと聞いていてくれたんだなと、ちょっとうれしくなりました。話しかけてくれた本人は、アンガーマネジメント中だったのでしょうが…。
アンガーマネジメントは、子供も、親も、私たち教員も身に付けておくと有効なスキルです。
担任をしていた頃、児童を指導していると、「なんで何度言っても分からないんだ。」とイラっとすることがあり、大きな声を出すことがありました。
特に若いとき。学習で分からないことについては、イラっとすることはありませんでしたが、友達との関係で相手を傷つけるようなことを言ったりしたり…といったときです。
以前にも指導したのに、なぜまた繰り返すのか…と。
しかし、それを繰り返すということは、大きな声を出して繰り返し指導しても意味がなく、むしろ感情的になっている自分を何とかしなければ…と思うようになりました。
研修で「アンガーマネジメント」を習った翌日、担任していた学級の児童全員に「昨日、こういうことを出張で学んできたから、もし、私が大きな声を出して怒りそうになったら、『先生、深呼吸!』と言って気付かせて!」とお願いをしたことがあります。
しばらくして、やんちゃな子が人を傷つけるようなことを言ったときに、思わずむっとして大声を出そうとした瞬間、察しのいい子が「先生、深呼吸!」と声をかけてくれ、「おお、そうだな。」と言って、冷静さを取り戻したことを今でも覚えています。
それ以来、かなり意識するようになりました。
おかげでパワハラで訴えられるようなこともなく…。
「怒り」の感情をコントロールする方法としていくつかご紹介します。
1 6秒ルール…怒りを感じた時に6秒数える。6秒待つと怒りはある程度収まります。
2 深呼吸…6秒間の深呼吸も有効です。このとき、握りこぶしをつくるのもあり。
3 その場から離れる…6秒で収まりそうもないときは、移動して別のことを考えてみる。
4 「○○○すべき」という価値観を捨てる…理想や価値観へのこだわりが強すぎると怒りが生まれやすいそうです。「こうあるべき」「こうするべき」は人それぞれで、すべての人に通用するものではありません。「これなら許せる」という条件付きの許容範囲を少しずつ広げると、ストレスを軽減できます。(教員は、この「~べき」が強い人が多いかもしれません。)
5 「アンガーログ」を残す…自分が何に対して怒りを感じやすのか、怒りの記録「アンガーログ」を付けることも有効だそうです。(私は、したことがありませんが…)
いかがでしょう。
私たち小田原市の教員は「メンタルヘルスチェック」を毎年行っています(専門業者が分析をしてくれます)が、おかげで私は毎年、ほとんどストレスがない状態という分析結果が出ています。
もちろん指導すべきことは指導しますが、その「指導すべき」の「べき」は若いときとだいぶ異なっているかと思います。
自分も周囲も気持ちよく過ごす…「ウェルビーイング」を追究する時代ですから…。