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学校日記(学校でのできごとなど)

3年生 国語 「すがたをかえる〇〇ブック」に向けた学びの様子から

公開日
2025/09/29
更新日
2025/09/29

校長室から

9月29日(月)

3年生における国語の学習の様子です。


光村図書の教材「すがたをかえる大豆」などを活用した単元「れいの書かれ方に気をつけて読み、それをいかして書こう」の授業が行われていました。

子どもたちは、「すがたをかえる〇〇ブック」をつくり、しまむらストアに置いてもらいたいという目標を共有しながら、説明文の書き方の“ひみつ”を読み解こうと意欲的に取り組んでいました。


授業の冒頭では、前回の学習で書かれた子どもたちの感想が複数読み上げられました。

友達の文から気づいたこと、自分なりの工夫、読んだ人に伝わるようにしたいという思い、これからの活動への思いなどが紹介されたことで、子どもたちは「今日はどんなことをするのか」「自分たちはどんなふうに学んでいたのか」を立体的にイメージしているようでした。

自分の感想がいつ紹介されるかという期待もあり、誰もが集中して先生の話に耳を傾けていました。


この授業は校内研究(ブロック研)も兼ねており、中学年ブロックの職員が参観していました。

読み上げられる子どもの感想を聞くだけで、子どもたちがどんな思いで学びに向かっているのか、どんなめあてをもってこの場に臨んでいるのかが伝わってきます。

初めてこの場にいる参観者でさえそう感じるのですから、子どもたちにとっては振り返りの絶好の機会であり、気持ちの高まりにもつながっていることでしょう。


グループ活動では、一人一人がしっかり話す(アウトプットする)場面が多く、教室には活発な声が響いていました。

説明文の構成や表現について、互いの考えを出し合いながら、3年生なりに言葉を選び、例の使い方を工夫する姿が見られました。

自分の考えを伝えたり、友達の意見に耳を傾けたりする中で、子どもたちは自然と

「筆者が読んでいる人に伝えるためにどんな工夫をしているのか」

という視点をもちながら、説明文の“わかりやすさ”について理解を深めていきます。


この時間は国語の授業ということもあり、別の支援を受けている子やお休みの子の机も、周りの子が当たり前のようにグループ机に組み込んでいました。

誰かがいないからといってそのままにするのではなく、「仲間」として自然に受け入れている姿に、日頃の関係づくりの積み重ねが感じられます。


また、きこえにくさのある子のために、ロジャー(補聴支援機器)を使って説明する子の姿も見られました。

自分の声が届くように、機器に向かって丁寧に話すその姿は、思いやりと伝える力の両方が育まれていることを示しています。


教室の環境や板書・掲示にも、きめ細かな支援と準備が施されています。

教師は、説明文の筆者の顔写真を掲示し、「ひと」として筆者を見える化する工夫をしていました。

文章の背景にある人の存在を意識することで、読み手としての視点が深まります。


さらに、これまでの学びの蓄積が模造紙にまとめられ、何枚にもわたって教室に掲示されていました。

子どもたちがどんなことを考え、どんな言葉を使ってきたのかが一目でわかるようになっており、学びの足跡が教室全体に息づいています。


この時間にも、学習カードや掲示物の提示など、ひとつひとつに丁寧な準備がなされていました。

子どもが迷わず活動に取り組めるよう、教師の支援が細部にまで行き届いていることが感じられます。


3年担任は、グループをまわりながら

「今のやりとり、すごくいいね。」

「その表現、読んだ人に伝わりそうだね。」

と、子どもたちの思考のプロセスを価値づけている場面が随所に見られました。



3年担当は、子どもの前ではいつも明るく、日常的に子どもたちの行動の価値を言葉にして伝えています。

(教育相談コーディネーターとして、3年生だけでなく常に全校児童のことを意識している姿にも本当に頭が下がる思いです…。)

この時間もその延長のように、授業の冒頭から、きめ細かくほめることや価値を伝えている姿が見られました。

ほめられた子どもは、まるで鼻がぷくっとふくらんだような表情を見せ、心の中に自己肯定感というエネルギーが蓄えられているようでした。


こうした積み重ねが、4月から丁寧に展開されてきたのでしょう。

子ども一人一人が集団の一員としての意識をもち、温かな雰囲気の中で学び合う姿が、教室いっぱいに広がっていました。



これからの学習では、しまむらストアという地域の店とのつながりを意識した活動が展開される予定です。

今回、「すがたをかえる大豆」から学んだ説明文の工夫や“ひみつ”を活かして、子どもたちは自分だけのオリジナル説明文を書くことに挑戦します。

”教室での学びが地域とつながり、実際の社会に向けて発信されていく。”

まさに、“いきた学習”の姿がここにあります。


ただし、3年生の支援・指導は、これからますます大変になるかもしれません。(笑)

しかし、教師自身がワクワクしながら子どもと一緒に授業をつくっている様子がよく伝わってきますので、子どもたちの小さな気づきや成長を喜びながら、共に学びを築いていく姿に、これからの展開がますます楽しみになりました。