学校日記

【校長のつぶやき】子供へのメッセージ(令和5年8月24日・木)

公開日
2023/08/24
更新日
2023/08/24

校長のつぶやき

 今日の午後は「教育講演会」。足柄下地区の幼小中の教職員が参加します。小田原市民ホール(三の丸ホール)に直接出向いて参加する教職員と、オンラインで参加する教職員とに分かれました。
 テーマは「お話でつなぐ心と心」、講師は絵本作家のサトシンさんです。サトシンさんの親しみやすくテンポの良いお話に引き込まれながら、サトシンさんの作品である絵本をもとに講演は進みました。
 『おてて絵本』では、手を絵本に見立てながら、その場でストーリーを考えていくといった創造性の高い「お話遊び」を紹介していただきました。ホールでは、何人かの教員がステージ上に招かれ、実際にサトシンさんと一緒に実践。サトシンさんの見事な合いの手、誘い言葉(促し)で、即興のストーリーがつくられていました。子どもたちとも一緒に楽しみながら、お話作りができそうです。
 『ながいでしょ りっぱでしょ』では、動物たちの自慢合戦。登場するいろいろな動物が自分の長いところを自慢します。いろいろな動物の長さ自慢を見せられたニワトリも自分のある「長さ」を自慢しようと頑張ります。サトシンさんのお話の仕方が面白い!読み聞かせで、子どもにもウケそうな絵本でした。
 『むらをすくったかえる』…村はずれに住み着いたかえるは、村人たちに「気持ち悪いよそ者」と嫌われてしまいます。やがて、村は干ばつで困ることになると知ったかえるは、「ざまあみろ」と思います。しかし、「自分の雨ごいで村を救えたら」と思ったかえるが、力尽きるまで鳴き続けます。最初は、うるさがって迷惑がっていた村人たちも、かえるの思いに気が付きます。決して、ハッピーエンドではないのですが、このお話を読んだ子供たちは、きっといろいろなことを感じ取るのではないでしょうか。
 『かけだしたイス』では、動けなかったイスが「自分の人生は、このまま動けないままで終わってしまうのか」と悲観していたところ、一歩を踏み出したら動けることに気付き、外の世界へ飛び出します。最後には、サラブレッドとレースをするまでに…。広告代理店のお仕事を辞めて、自分のやりたいことを目指し、絵本作家になったサトシンさんの思いを感じさせられました。一歩を踏み出す勇気…子どもたちにも感じ取ってほしいです。
 最後の『おとなからきみへ』は、中高生の多くが「大人になりたくない」と思っている現状を受けてのメッセージ。「仕事や育児で忙しそうな大人、そんな悲観的な姿を見ているからではないか」と考えたサトシンさんは、「大人ってこんなにいいもんなんだ。」というメッセージを絵本の中に描きます。この絵本は、メッセージソングとしてCDにも収録されているそうです。「親の次に、子どもたちが目にする大人は学校の先生。その学校の先生が、子どもたちに希望を持たせられるような姿を見せてほしい。」というサトシンさんのメッセージが私たち教職員に向けられました。

 もうすぐ、夏休みも終わり、子供たちと再会します。明るく、希望を抱かせられるような姿を見せられるよう、子どもたちの心と私たちの心が通い合うことを意識し、私たちも楽しみながら教育という仕事に取り組んでいきたいと思います。