十三夜の月
- 公開日
- 2014/09/30
- 更新日
- 2014/09/30
校長
十三夜の月
10月6日(月)は十三夜の月です。そこで本日は月にまつわるお話しです。
中秋の名月を鑑賞することは中国から伝わってきました。奈良時代にはすでに宮中などで月見の宴を開いていたと歌集や物語に書かれているそうです。また、庶民の間では、月を神聖なる神としてあがめ、農民は秋の収穫物を供えて五穀豊穣を祝い感謝する祭りをしていました。
中秋とは旧暦の秋(7・8・9月)の“真ん中の日”を指す言葉で旧暦8月15日のことです。月の満ち欠けによって暦を作っていた太陰暦(旧暦)では、7・8・9月を秋としていていました。その真ん中の8月15日を中秋といいます。秋は空が澄み渡り、月の高度もほどよく眺められる良い季節なので、月を楽しむ習慣が継続しているのでしょう。是非、月を愛でる余裕を持ちたいですね。
今年の十五夜は9月8日でした。スーパームーンが話題になりましたね。
中秋の名月は「十五夜」と呼ばれるのは有名ですが、旧暦9月13日の夜を「十三夜」と呼んで、十五夜の次に月を鑑賞する日になっています。十五夜はまたの名を「芋名月」、十三夜のことを「豆名月」「栗名月」と呼び、どちらか一方の月見だけをするのは「片見月」として嫌われていたんだそうです。
お月見といえば、お月様に兎が餅をついている姿が見えるか目を凝らしてみたことがありますが、月に兎が住んでいるというのは実はこれまた中国人の発想なんです。何故か月に住む兎はみんなオスばかりだそうです???
また、十三夜の月見は日本独特の風習だそうで、一説には宇多法皇が九月十三夜の月を愛で「無双」と賞したことが始まりとも、醍醐天皇の時代(延喜十九年:西暦919年)に開かれた観月の宴が風習化したものとも言われています。中秋の名月の後なので、「後の月」と言われたり、「小麦の名月」と呼ぶ地方もあります。これは旧暦九月十三日の晩のお天気で、翌年の小麦の豊作、凶作を占う習慣から来ています。十五夜はあまりすっきりしない夜空であることが多いのに対し、十三夜の夜は晴れることが多いようで、「十三夜に曇り無し」という言葉もあります。今年は10月6日(月)です。
十三夜に関連しては、井上陽水の曲に、「神無月にかこまれて」ってのがあります。学生時代の好きな曲の一つで、よく歌ったものでした。
人恋しと泣けば十三夜 月はおぼろ 淡い色具合
雲は月を隠さぬ様に やさしく流れ
丸い月には流れる雲が ちぎれた雲がよくにあう
風がさわぐ今や冬隣り 逃げる様に渡り鳥がゆく
列についてゆけない者に また来る春が
あるかどうかは誰もしらない ただひたすらの風まかせ
神無月に僕はかこまれて 口笛吹く それはこだまする
青い夜の空気の中に 生きてるものは
涙も見せず笑いも忘れ 息をひそめて冬を待つ
「神無月」までには少し時間がありますね。秋の夜長をうまく活用してください。月見で一句というのも風流ですが・・・僕はもっぱら月見で・・です
<おまけ>10月8日は『皆既月食』がみられます。部分食の始まりは18時14分頃、食の最大は19時54分頃、部分食の終わりは21時34分頃です。
地球と月は太陽の光を反射して輝く天体です。地球(月)にも太陽の光による影があり、太陽とは反対の方向に伸びています。この地球の影の中を月が通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象が「月食」です。月食は太陽-地球-月が一直線に並ぶとき、満月のときだけに起こります。でも黄道と白道の関係とかがあり、常に起こるわけではありません。
自然界には不思議がいっぱいです。