学校日記

【校長のつぶやき】子供へのリスペクト(令和5年7月18日・火)

公開日
2023/07/18
更新日
2023/07/18

校長のつぶやき

 昨日、久しぶりに髪を切りに美容院へ行きました。私の髪が切り始められたころ、隣の席に未就学の子(4・5歳くらいでしょうか?)が保護者(おそらくお母さん)を伴ってきました。美容師さんが保護者の方に「どのようにしましょうか?」と尋ねると、「こうしてください。」ではなく、「この子は、横やえりのところを、このくらいに切ってほしいと言っています。」と、その子の意思を美容師さんに伝えています。そして、「前髪はどうしたい?」とその子に尋ねると、「あまり切らなくていい。」との意思表示。未就学の子の髪型って、保護者の意向で決めているものだろうと勝手に思い込んでいたので、その子が自分の意思をきちんともっていて、それを伝えていることと、保護者の方がその子の意思を尊重していることに、横で「すごいな。」と心の中で思っていました。(おそらく自分が4・5歳のころは、こんな髪にしたいという自分の意思はもっていなかったように思います。)

 家に帰ってから、教育雑誌を読んでいたら、「フィンランドの教育」についての記事がありました。フィンランドの教育は質が高く、学習結果の差が小さいことで知られています。フィンランドの教育現場では、幼少期から一貫して「あなたはどう考えるのか?」「あなたはどう思うのか?」ということが大切にされているそうです。それはたとえ5歳児に対してでも同様で、どれほど幼い子供であっても、意思をもつ人として尊重されます。大人が決めつけるのではなく、自分で考えることに重きが置かれているそうです。考え方のレベルに配慮しながらも、幼いころからリスペクトあふれる関わりが大切にされているそうです。その記事の筆者は、「こういった教育が継続してなされていることが、自分自身の他者に対するリスペクトをもつ心の涵養に大きく影響しているのではないかと考えている」と述べていました。

 記事を読みながら、昼間の美容院で出会った親子のことを思い出していました。そして、私たちは、子どもたちや同僚に対して、リスペクトを意識した関わり方をしているといえるかどうかを考えていました。