わかば級 国語・自立活動 ~授業研究(中学年ブロック研究)から~
- 公開日
- 2025/12/15
- 更新日
- 2025/12/15
校長室から
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12月10日(水)
中学年ブロックによる授業研究として、「わかば1組」の授業が行われました。
今回は支援学級での実践ということもあり、通常の授業研究とは異なり、日々の授業や支援の在り方を学び合うことに重きを置いた時間となりました。
参観した教師による研究協議は2日後の12日(金)に行われ、子どもの姿を中心に、今後のよりよい学びに向けて、また、本授業から学んだこと等について意見が交わされました。
授業では、国語の「いみとりかるた」「できるかな?」、自立活動の「動作模倣」を柱とした活動が展開されました。
児童はAグループ(いみとりかるた)とBグループ(できるかな?)に分かれ、それぞれの活動に教師がついて支援を行いました。
Aグループでは、読み札に書かれた「ことばの意味」を聞いて、取り札の「ことば」を探すという、かるた形式の活動が行われました。
子どもたちはまず辞書を使って意味を調べ、載っていない語はクロームブックで検索。
教師はその情報の信頼性についても助言を行いながら、子どもたちの学びを支えていました。
「これ、のってないなあ…」「あ、あった!」といったつぶやきが聞こえ、調べることそのものが学びの中心になっている様子が印象的でした。
Bグループでは、1年生2人と6年生1人が一緒に活動し、絵本に合わせて体を動かす「できるかな?」の活動が行われました。
教師が歌を歌いながら動作を示すことで、子どもたちにとってのよきモデルとなり、安心して模倣に取り組む姿が見られました。
6年生の児童は発語こそありませんが、絵本のページをじっと見つめ、音楽に合わせて体を動かす姿が印象的で、1年生の児童もその様子を自然に受け止めながら活動していました。
また、1年生同士は互いの動きを見合いながら、よいモデルとなり合っており、学び合いの関係が自然に育まれていることが感じられました。
授業全体を通して、教師が子ども一人一人の名前を呼びながら、「〇〇さん、いいね!」「オッケー!」と声をかける場面が多く見られました。
こうした個への丁寧な関わりが、子どもたちの安心感や意欲につながっていることが感じられました。
特に印象的だったのは、教師が活動の合間に「探すのはやくなったね!」と声をかけたり、活動の終わりにハイタッチを交わしたりする姿です。
実際に、ほめられた子どもが「うん」と小さくうなずきながら次の活動に向かう姿からも、その効果がうかがえました。
また、配付される学習カードには、朱書きの有無や量などに微妙な個人差がつけられており、それぞれの子が「少しがんばればできそう」と思えるような、見通しのもてる教材が提供されていました。
こうした支援の工夫は、子どもたちの達成感や自信につながる大切な要素となっています。
教室環境にも細やかな配慮が見られました。
ロッカーのほかに「個人のファイルケース」や「レターケース」が用意されており、学習ファイルや宿題ファイル、日課表などが色分けされて整理されています。
こうした環境が、子どもたちの学びの軌跡を視覚的にわかりやすくし、振り返りを支えています。
教具の選定や開発も、子どもの学びに大きく関わっていることを感じました。
今回の「いみとりかるた」以外にも、教室には様々なカード教材が用意されており、子どもの状態に応じて柔軟に活用できるようになっています。
教師自身が教材の特性を理解しているからこそ、支援のタイミングや方法も効果的に展開されていました。
研究協議でも、こうした日常的な価値づけが、子どもたちの自己肯定感を育み、次の活動への意欲につながっていることが確認されましたし、教師の支援の在り方や教材の工夫、子どもとの信頼関係の築き方など、みとったことや学んだことが共有されました。
今回の授業は、ユニバーサルデザインやインクルーシブ教育の視点からも学びが得られるものであり、参観している私たち教師にとっても、日常の支援や関わりを改めて見つめる機会となりました。
子どもたちの姿から、学びの本質や支援の在り方を考えることができた、温かく、学びある授業研究でした。