図書室だより2020 〜その4〜
- 公開日
- 2020/06/23
- 更新日
- 2020/06/23
お知らせ
「天使のにもつ」(いとうみく 著 丹下京子 絵 ・ 童心社)
この本は第66回青少年読書感想文全国コンクール課題図書 中学生の部の中の1冊です。
やる気に欠ける中学2年の風汰は5日間の職場体験先に「子どもと遊んでりゃあいい」という理由で保育園を選びます。しかし仕事の多さに加え、初日から子どもたちに振り回されっぱなしでヘトヘトに。どうにか5日間をやりすごせばそれで終わり!と考えていた風汰だったが、ほかの子と交わらない1人の男の子が次第に気になり…。
読んでいると、生(なま)意気(いき)だった風汰の感情が少しずつ変わっていく様とともに、子どもの笑顔の下の感情やバックグラウンドを読み取りながら、ひとりひとりに対応する保育士の苦労がひしひしと伝わってきます。職場体験はほんの一瞬ですが、何かが変わるきっかけとなる人も多いのではないでしょうか。
いとう氏の作品はこのほか「糸子の体重計」(童心社)「二日月」(そうえん社)など。