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学校日記(学校でのできごとなど)

「プールで熱中症ってあるんですね」 〜プールの運営について〜

公開日
2023/07/17
更新日
2023/07/17

校長室から

「プールで熱中症ってあるんですね。」

先日、保護者の方々との会話の中に、このような話がありました。というのも、

「7月7日(金)に千葉市の小学校で、プールの授業を受けたあと、複数の児童がけん怠感や呼吸の苦しさなどを訴え、このうち、6人が病院に搬送されて熱中症と診断された」

という報道が、テレビ・新聞・インターネット等の各種メディアからあったからです。

プールが設置されている多くの学校では、プールの開場や運営にあたり、学校関係者に加えて保護者代表や薬剤師等の専門家も交えた「プール運営委員会」を設置し、実施基準等の確認をしながらプールを運営しています。その際の根拠として、独立行政法人日本スポーツ振興センターが平成31年に発行した「学校屋外プールにおける熱中症対策」といったプール熱中症対策マニュアルなどを活用していきます。

年々暑さが増している実感がありますが、プールで泳いでいても熱中症になる場合があるという理由から、公営プール等でも、暑すぎて屋外プールを中止にする日がみられるようになりました。

その一方で、暑いことを理由に中止にした公営プール等では、「暑いからプールがあるんだろ。楽しみにしてプールに来たのに。暑いなら水を冷やせばいいだろ。〇〇〇(民間プール)ではやってるぞ。」と、基準や規定等を説明しても伝わらず、苦情を伝えられることが少なくないようです。学校には市内他校との情報交換でもこういった苦情や要望等は一切ありませんが、暑いからこそプールを楽しみにしていたのに…という声はどこでもあるようで、本校でも実施基準に則り、暑さ指数31を超えた場合は中止にしていますので、中止を知ってがっかりする児童の姿は十分に感じています。

千葉市の学校においては、「いずれも命に別状はなく帰宅された」ということも添えられていたので安心しました。熱中症対策を施していることが推察されるなかでも、このような全国報道があるくらいですので、改めて、熱中症の危険や対応等について気を引き締めたいと感じるとともに、公教育としての役割や児童の安全を確保する中での教育活動の難しさや葛藤を感じるできごとでした。



<追伸>

本年度、小田原市立小学校の4校では、水泳の授業が民間スクールで行われています。これは、学校の水泳授業やプールのあり方を検討する一環として、小田原市教育委員会主導で行われているものです。なお、4校のうちの数校は、借上げバスでスイミングスクールへ移動しているので移動中の安全や熱中症対策も施されています。

児童にとっては、プロのコーチから質の高い指導を受けられ、また、教員からみても、指導時間の軽減はもとより、プール清掃や水質管理、機械操作、熱中症対策や判断などが必要ないといったメリットの多い事業・施策と認識しています。

プール施設の老朽化への対応や教員の働き方改革にもつながると感じており、実際に今年だけでも、何度も機械が不調で、その都度、体育担当の教員や教頭等が確認するとともに、業者の方や市教委へ連絡し修繕対応を図っていました。

はやく本校でも本事業が実施されることや対象校となることを願うばかりです。