5年生 道徳科 「『がんばる意味』って何?」の授業から
- 公開日
- 2025/09/11
- 更新日
- 2025/09/11
校長室から
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5年1組で行われた道徳科の授業「『がんばる意味』って何?」を参観しました。
自分の考えをもち、それを仲間と伝え合いながら深めていく姿に、私自身が改めて授業や学び等について考える時間となりました。
この授業は、本校の新採用職員による授業参観・初任者研修も兼ねていました。
そのため、初任者研修の年間指導を担当する教務主任をはじめ、関係職員による参観がある中での授業でした。
授業の冒頭では、「がんばることに意味はあるか?」という問いに対し、児童一人一人が自分の立場を磁石で黒板に示しました。
数直線の右端が「ある」、左端が「ない」、そして中央付近には「どちらとも言えない」という思いをもつ子どもたちの磁石が並びました。
その後の話し合いでは、率直で多様な意見が飛び交いました。
「がんばっても結果が出なかったら意味ないと思う。」
「折角やったのに台無しって感じることあるし…。」
「勉強って結果が大事じゃない?覚えてなかったら、がんばった意味ないかも。」
一方で、「ある」と考える子どもたちはこう語ります。
「自分にできることを見つけていくのが大事。意味はあると思う。」
「失敗しても、そこから学べることがあるよ。」
「積小為大って言葉があるよね。小さな努力が大きな成果につながるんだよ。」
「経験が大事。がんばったことは、あとで役に立つと思う。」
意見を交わす中で、磁石の位置を変える子も現れました。
その姿に、周囲の子どもたちからは
「えっ?なんで?」
「理由が聞きたい!」
と、さらに議論への意欲が高まります。
教室の前では、子どもたちの言葉が黒板にていねいにかかれていきます。
その様子を見つめる子どもたちの表情は真剣そのもの。
黒板には、さまざまな視点が並び、それを見ながら自分の考えを見つめ直す姿が印象的でした。
最後には「振り返り」として、自分の考えを道徳ノートに記す時間が設けられました。
一人一人が集中して、自分の言葉でこの時間から得た気づきを書き留めていました。
参観した職員からは、
「子どもが自分の言葉で伝え合っている姿が印象的だった。」
「考えを変えることに対して、周囲が自然に興味をもっている雰囲気がいい。」
といった声もきこえていました。
「がんばる意味」は一人一人異なります。
しかし、社会の縮図ともいえる「学校」という小さな社会の中で、友だちとの関わりを通して自分の考えを見つめ直すことは、子どもの心にとって大切なことと考えます。
自分の意見をもつこと、他者の考えに耳を傾けること、そして時には自分の考えを見直すこと…。
それらすべてが、これからの社会を生きる力、社会力の育成にもつながっていくのだと感じました。
本校では、今後も「考え、議論し、振り返る」道徳科の時間も大切にしながら、子どもたちが自分自身と向き合う機会を積み重ねていきたいと思います。