図書室だより2020 〜その5〜
- 公開日
- 2020/07/13
- 更新日
- 2020/07/13
お知らせ
「泣いたあとは、新しい靴をはこう。」(日本ペンクラブ 編・ポプラ社)
今も蔓延(まんえん)するコロナの脅威(きょうい)や長引く梅雨の影響などで、普段では気にならないようなことに過敏(かびん)になり、前にも増して悩みが増えてしまったという人も多いのではないでしょうか。この本はドリアン助川氏や森絵都氏・冲方丁氏など皆さんにもおなじみの作家・翻訳家 44人が10代の悩みに真剣に答えた一冊。“親に頼らずにひとりで生きていきたい”“父の暴力から逃げたい”という重いものから“よくわからないけどモヤモヤする”“私だけスマホを持ってない”という今時の悩みまで、若者が抱える葛藤(かっとう)の幅の広さは目を見張るものがあります。
それぞれ回答する作家たちが一般論を語るのではなく、物書きらしい個性的な答え方をしているのもこの本の興味深いところ。「10代のどうでもよくない悩みに作家が言葉で向き合ってみた」という副題通り、大人にとっては取るに足らないことでも、本人にとってどうでもいい悩みなど一つもないのだと痛感(つうかん)させられました。
この本に登場する作家の ドリアン助川氏「あん」 冲方丁「十二人の死にたい子どもたち」 きむらゆういち氏「あらしのよるに」 なども図書室でのおすすめ本です。ぜひどうぞ。