図書室だより2019 〜その8〜
- 公開日
- 2019/08/28
- 更新日
- 2019/08/28
お知らせ
「焼けあとのちかい」
(文:半藤一利 絵:塚本やすし
大月書店)
今回紹介するのは作家の半藤一利氏が自らの戦争体験を描いた絵本で、今年の7月に出版されました。東京・向島でののどかな生活が、小学5年生の12月、ラジオから流れる臨時ニュースを皮切りに一転してゆくところから物語が始まります。
日を追うごとに悪くなる情勢、友人や家族との別れ、焼夷弾を浴び次々と火だるまになる人々…臨場感あふれる塚本氏の絵は、読む人の心を握りつぶすかのような迫力。焼野原を前にして著者が心で叫んだこと 『この世に「絶対」はない。でも戦争だけは絶対にはじめてはならない。』戦争で九死に一生を得た半藤氏が戦争を知らない後世の人々に向けて発したこの言葉は、私たち一人ひとりが受け止めなくてはならないと思います。
※半藤氏の作品はこのほか、「15歳の東京大空襲」(筑摩書房)
「戦士の遺書—太平洋戦争に散った勇者たちの叫び」(ネスコ)
塚本氏の作品は、 「やきざかなののろい」(ポプラ社)
「とうめいにんげんのしょくじ」(ポプラ社) など。