笑顔が生まれるしかけ 〜図工の取り組みから〜
- 公開日
- 2024/07/25
- 更新日
- 2024/07/25
校長室から
5年生が図工で「笑顔が生まれるしかけ」という学習に取り組みました。みんなが思わず笑顔になるように、安全に過ごせるようにと考え、しかけを作って校内のあちこちに掲示したり吊るしたりしました。
低学年のトイレで、しかけ作りに取り組んだ児童がいました。サンダルを置く場所がわかりやすいように、ビニールテープで四角く囲む線を床に貼りました。そして、1〜4までの数字もテープで貼りました。「サンダルをきちんと揃えられるといいな」「数字をつけるとわかりやすいかな」、そんな気持ちが伝わってきました。
また、サンダルにはラミネートした紙で作った目印のようなものが貼ってありました。ラミネートされていることから、きっと「破れないように」「長持ちするように」といったことを考えてくれたのではないかと感じました。
その後、児童がトイレを使用しました。「わあ、テープが貼ってある!」「ちゃんと揃えなくっちゃ」、きっと1・2年生の児童はそう思ってくれたことでしょう。でも、サンダルを履き、歩くとテープはすぐにはがれ始めました。数字もサンダルにくっつき奥の方へ移動してしまっていました。
また、学校内の様々な場所の掃除を担当する校務用員さんから、「トイレ掃除をしたらテープがはがれてしまうと思うけれど、どうしたらいいかしら」
「時々、サンダルを水洗いしているけれど、これだときっととれてしまうかな」という相談がありました。「子どもたちの思いを尊重してあげたいのだけれど…」というつぶやきも聞こえてきました。
担当から児童にそのような状況や声を伝えると、どうしようかとさらに考えていました。そして数日後、トイレに行ってみると、簡単にはがれてしまわないように数字の上から透明のテープが貼られていました。5年生の児童、そして1・2年生や校務用員さんの笑顔が思い浮かびました。
児童が考えた「サンダルを揃えるために」という取り組みはとても素敵です。
その後、使ってみたらはがれてしまったという事実や「掃除でとれてしまわないか」という校務用員さんからの心配事をきっかけとして、さらに考えることで、よりよいものになっていきました。何か物事に取り組むときには、違う視点からも考えてみることが大事だと学んだのではないかと思います。
日々の学習、休み時間の遊び、掃除の時間など、少しでも「他の人の立場に立って考えてみる」「周りの人の意見を聞いてみる」といったことを心がけると、より楽しく、気持ちよく過ごせることにつながりそうですね。