風流韻事(ふうりゅういんじ)
- 公開日
- 2015/09/15
- 更新日
- 2015/09/15
校長
昨日は井細田八幡神社の例大祭でした。縁起には四〇〇年以上前から地区の鎮守としてまつられているとありました。地区の子どもたちも山車や神輿を担ぎ、年に一度の祭りに興じていました。かつては秋の収穫をみなで喜び合ったのでしょう。
祭礼に際し“実家”へ里帰りされた方も多かったようで、白山中時代の懐かしい子ども(失礼、立派に成長したお父さん、お母さん)にも数名お会いし、二十数年ぶりにお話しすることができました。11日の白山学区パトロールの際も久野小のPTAの方に、“隣のクラスでした・・・”と声をかけられました。話をしているうちに昔日の面影がよみがえり、様々な出来事を懐かしく思い出すとともに時間の流れの早さに驚かされたのでした。
さて、今日14日の日の出は5時23分、日没は17時54分です。確実に日照時間が短くなってきています。秋が確実に近づいてきています。秋分の日も近いですね。
秋といえば月見。旧暦8月15日は中秋(仲秋)ですが、新暦に直すと今年は9月27日になります。
十五夜は「芋名月」とも呼ばれます。昨年は9月8日でした。この時もスーパームーンが話題になりましたが、今年もスーパームーンが見られます。
十五夜の翌日、9月28日に月と地球との最短距離が356876キロになります。昨年は3回スーパームーンが出現したのですが、2014年一番近かった8月の356896キロよりも20キロ地球に近づきます。最接近するタイミングは11時51分ごろだそうです。日中ですから残念ながらこの時間では見えません。が、夕方から夜半にかけていつもより大きな月、スーパームーンを見ることができます。来年は11月14日です。
余談ですが、古事記や日本書紀(記紀)には、星に関するものはほとんどありませんが、太陽と月については伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の左の目から天照大神、右の目から月読命(つきよみのみこと)が生まれたと、「古事記」に記されています。昔人も太陽や月に畏敬の念を持っていたのでしょう。
月を題材にした句はたくさんあります。少し紹介してみますね。
めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲かくれにし夜半の月かな
紫式部 新古今集
天の海に雲の波たち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ 万葉集
あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月
明恵
夜る窃(ひそか)に虫は月下の栗を穿(うが)つ
名月や池をめぐりて夜もすがら 松尾芭蕉
旅人よ笠島語れ雨の月 与謝蕪村
「天の海に雲の波たち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ」
三日月でしょうか、月を船に見立てているのですね。なんてロマンチックなんでしょう。万葉人の感性に驚かされます。
旧暦八月十五日の名月に雨が降っているとき、「雨月・雨夜の月・雨名月」といいます。月を目で「見る」のではなく、蕪村は心で「観た」のでしょうか。
風流韻事(ふうりゅういんじ)。月見で一句なんていかがですか。
僕は月見で一杯です!(笑)