図書室たより2021 〜その8〜
- 公開日
- 2021/08/17
- 更新日
- 2021/08/17
お知らせ
「あの夏の正解」(早見和真 著 ・ 新潮社)
第103回全国高等学校野球選手権大会が始まりました。学校関係者以外は無観客での試合、更に季節はずれの大雨のため順延が続きましたが、それでも今年は無事に開催されることに胸をなでおろした人も多いのではと思います。
タイトルの 「あの夏」 とは、ちょうど1年前のこの時期。昨夏は甲子園での試合がすべて中止となりました。この本は作家の早見氏が愛媛県の済美高校、石川県の星陵高校の2校に取材を重ね、高校球児たちの当時の本音を拾い上げたノンフィクション作品ですが、甲子園中止を受け、球児たちのみならず多くの大人たちも苦しみ、悲しむ姿は小説以上のインパクト。中でも甲子園を目指しひたむきに練習を続けてきた生徒の「これ以上につらいことがこの先あると思えない」との言葉が胸に突き刺さります。昨年も、そして今年も、誰もがあらゆることに正解を探した夏でしたが、本当に正解などあるのでしょうか。
夏休みもあと2週間。宿題を行いに、本を借りに、公共図書館にも積極的に出かけてみましょう。