学校日記

図書室だより2021 〜その6〜

公開日
2021/07/14
更新日
2021/07/14

お知らせ

「がんになって良かった」と言いたい
(山口雄也+木内岳志 著・徳間書店)

 このタイトルの一文をどう捉えるべきか。そんな議論をもたらした著者の山口雄也さんが去る6月6日に23歳で逝去(せいきょ)されました。この本では19歳で胚(はい)細胞(さいぼう)腫瘍(しゅよう)、その2年後に急性リンパ性白血病と相次(あいつ)いでがんの宣告を受けた山口さんの4年間の壮絶(そうぜつ)な戦いの日々が綴(つづ)られています。
 勢いのある文章からは「絶対に生き抜いてやる」という彼の強い意志の裏側に、死に対する計り知れない恐怖が存在していることが生々しく感じられます。白米が食べられる、行きたいところへ行かれる、会いたい人に会う、それは当たり前ではないということ。何も悪いことをしていないのに、なぜ自分が。生き抜くことだけを目標として過酷(かこく)な闘病(とうびょう)生活に挑み続けた山口さんにとって、その死は到底納得できるものではなかったことでしょう。この世の中はいつでも、理不尽(りふじん)なことばかりで成り立っている気がします。
 間もなく夏休みに突入ですね。今借りてる本は14日(水)・15日(木)でいったん返却をしてくださいね。9月からも本をたくさん読みましょう!