正月の伝統文化
- 公開日
- 2015/01/09
- 更新日
- 2015/01/09
校長
正月の伝統文化
そろそろ正月気分も抜けた頃かと思います。
いまだに、おせちの残りをいただいてますが、先日、我が家でも七草がゆを炊きました。本来は7日の朝に食するのだそうですが、夕食にいただきました。セリ(芹)、ナズナ(薺)、ゴギョウ(御形)、ハコベラ(繁縷)、ホトケノザ(仏の座)、スズナ(菘)、スズシロ(蘿蔔)、すぐに我が家でまかなえるのはセリ、スズナ、スズシロだけです。セットになっているものを近所の八百屋さんで調達しました。「七草」をまな板の上に載せ、母は歌を歌いながら包丁の背で叩いて細かくしてました。
♪七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン♪
皆さん、聞いたことがありますか?
七草がゆの由来は、1月7日は、五節句の一つ「人日(じんじつ)の節句」で、「人日の節句」の「人日」は「人の日」で、元日からそれぞれの日に獣畜などを当てはめて占う風習が中国にあり、七日目が「人」で、その日を人を大切にする節句にしたとも言われ、それにまつわる中国の風習が日本に伝わったとも言われているようです。
また、6世紀の半ばに、中国、梁の宗懍(そうりん)が著した年中行事記の「荊楚歳時記(けいそさいじき)」には、
「正月七日を人日と為す。七種の菜を以て、羹(あつもの)を為(つく)る」
とあり、これが日本の七草がゆの起源ともされます。
疲れた胃腸をいたわるには、丁度良いのでしょう。
江戸時代後期に塙保己一が編纂した「群書類従(ぐんしょるいじゅう)」に、鎌倉時代初期頃に成立したとされる「年中行事秘抄(ねんじゅうぎょうじひしょう)」に、
七種菜。薺。蘩蔞。芹。菁。御形。須々代。佛座。
金谷云。正月七日。以七種菜作羮食之。令人無万病。
とあり、鎌倉時代には七草の風習があったことがうかがえます。
今度の日曜日、11日は鏡開きです。正月に神(年神)や仏に供えた鏡餅を下げて食べる、日本の年中行事です。神仏に感謝し、またその供えられたものを頂いて無病息災などを祈って、汁粉・雑煮などにして食べてきました。
かつて1月15日は成人の日でした。この日、左義長と呼ばれる賽の神を祭る行事も行われます。僕の住む街では「どんど焼き」を町内ごとに行っていました。道祖神祭りとも呼ばれ山車を牽き、松飾りや竹を集めて火をつけ、習字を燃やし高く舞い上がると字がうまくなると云われてました。この火で団子を焼いて食べると風邪をひかないとも云われ、最後にはアカメの木に紅白の団子をさし、残り火で焼いて食べたものです。アカメの木も最近は見たことがありません。今では山車は出ますが、町内ごとに行われていた「どんど焼き」は海岸一カ所で行われています。
左義長もこの週末に行われるのでしょうか。良き伝統・文化は継承していきたいものです。