潮風ニュース186号より「自由な表現で自分を開放する」
- 公開日
- 2023/07/05
- 更新日
- 2023/07/05
校長室から
社会福祉法人アールドヴィーヴルの皆様やアートディレクターの中津川先生のご協力により開催したアートワークショップでは、子ども達は文字通り全身で表現活動を楽しんでいました。アールドヴィーヴルでは障がいのある方の芸術活動をサポートされていますが、その趣旨の一つには「アートで心と体を開放する」という理念があるそうです。学校の授業では、その学習のねらいを達成するために、どうしても一定の制約があることは否めません。また、今回の学習指導要領では、子ども達に付けるべき力を明確にしその育成を図るとされおり、学校では日々の教育活動の中で子ども達の資質・能力の育成に取り組んでいます。これは本校の児童に限ったことではありませんが、そうした中で「できる・できない」ということに関して必要以上に敏感になっている子や、失敗することを恐れる子が増えているように感じています。アートワークショップの1時間の授業だけでは十分ではないと思いますが、「自由にやっていいんだ」という経験をさせたいと願っていました。
とは言うものの、実際は、私の想像以上に「自由に」表現していた子ども達でして、私などは「この辺でやめておいてくれたらいいのに、絵を飾りたい・・・」とか「もう少し他の子の様子を見てもらいたい・・」などと、邪念をもって活動の様子を見てしまっておりましたが、講師の皆さんは、決して子ども達を否定せず(こうしてみたらどう?という声かけはありましたが)、徹底して子ども達の活動の中からその良さについて言葉にして、認めてくださっていたことが印象に残りました。アールドヴィーヴルの萩原理事長は「これが子どもの本来の姿。満足してくれたらうれしい」と、中津川先生は「本当に自由なのは体の内からパワーを吐き出すこと」と仰っていました。そうした言葉から、「こうすべき」「こうしてほしい」という私の中にある、いわば大人のエゴのような部分を改めて認識したのでした。
子ども達からは「自由に描けてなんだか不思議だった」という感想がありました。「不思議体験」だったのですね。その感想もなんだか新鮮でした。
最後になりますが、この日はたくさんの保護者の方にもご協力をいただきました。ありがとうございました。
子ども達が制作したものはすべて飾ることは難しかったのですが、いくつかの作品を組みあわせて、2つの作品としました。しおかぜ級児童の作品とあわせて体育館に掲示していますので、学校にお越しの際はぜひご覧ください。