「ちょっとの工夫」と「想像力」
- 公開日
- 2023/11/02
- 更新日
- 2023/11/02
校長室から
学校日記でもお伝えしていますが、本校では初めての取組として、日本財団パラスポーツサポートセンター主催の「あすチャレ!スクール」に申し込み、車いす陸上のレジェンドである永尾先生をお迎えして出前授業を行っていただきました。
デモンストレーションで、永尾先生が車いす陸上で使用される「レーサー」を漕いでくださったのですが、間近出見るその迫力に、子ども達は圧倒されていました。
永尾先生からは「障がいとは何か」というお話がありました。その中で、「足が動かなくても『ちょっとの工夫』をすれば、スポーツもできるし、買い物もできる。足が動かないことが『障がい』なのではない。移動できないことが『障がい』なのだ」というお話がありました。障がいはその人の心身の機能によるものだけではなく、その人を取り巻く社会環境にあるということ(障がいの社会モデル)を、子ども達にわかりやすく伝えていただいたと思います。「インクルーシブ」な社会の構築に向けては、一人一人が不便さや不自由さを感じることがないよう、一人一人が、そして社会全体で、それぞれ少しずつ工夫をしていくというシンプルなことが大切なのだと改めて思いました。5・6年生がどのように先生のお話を受け止めたかはわかりませんが、こうして様々な方と触れ合い、お話をきくことは、子ども達の心の育ちにとって、とても大切なことだと考えます。
そしてこうもおっしゃっていました。「私はスポーツをしていることもあり、腕の力が強い。でも車いすを使う人の中には腕の力が弱い人もいる。その人の横にスロープがあったとしても『スロープがあるから大丈夫』と考えるのではなく『もしかしたらスロープが急で困っているかもしれない』『助けを必要としているかもしれない』と、想像力を働かせてほしい。『もしよかったら、車いすを押しましょうか』と声を掛けられる人になってほしい。困っている人がいたら助けようと思いあえる社会にしていこう」
永尾先生のお話は、片浦学区の「6つのこころがけ」のその5「だいじょうぶ?(思いやりの心)」につながっていると思います。少しの工夫ができること、他者への想像力、そして思いやりの気持ちを具体的に行動にうつしていくことが、みんなが安心して過ごせる社会をつくっていくのだと思います。