グランドデザイン

学校教育目標
− 自ら学び、主体的に判断し、行動できる生徒を育てる −
学校教育は、2つの要素が常にあり、はっきり区別できるというものではない。それは、人間として人間らしく生きて生きための「教育の基本的な部分」と、移り変わる時代に合わせ生き抜いていく力を育成する「時代に合わせて変化する部分」である。
「教育の基本的な部分」には、自己肯定感、自己有用感、自己指導力等の育成、社会力(人や物事と関わる力)の育成、知的遺産の継承、個性を引き出す教育等が挙げられ、「時代に合わせて変化する部分」には持続可能な社会の実現(SDGs)への関わり、科学技術の進歩への対応、情報社会への対応(情報活用能力)、国際化社会への対応、高齢化社会への対応(生涯学習への参画)等が挙げられる。
また、東日本大震災の体験から11年を経て、自然の驚異に対して人間は無力であるという謙虚さと、自分の命は自分で守る「判断力・行動力」の重要性は今後も認識をあらたにすべきところである。近い将来「南海トラフ地震等の関東大震災級の大地震による津波等の被害」も想定しなければならない。
さらに、自然災害だけではなく、新型コロナウイルスをはじめ未知のウイルス感染症の脅威等、常に最悪の事態を想定しておくことは危機管理には必要不可欠な考え方である。
これらのことを踏まえ、これからの予想困難な社会を逞しく生き抜く人間を育てていくことが、学校教育の目指すべきところである。
そこで本校では、「自ら学び、主体的に判断し、行動できる生徒を育成する」ことを学校教育目標に掲げ、未来を生き抜く資質・能力の育成を図っていく。
この目標の実現に向け、学校は地域の一員としての意識を持ち、地域に住む人、保護者とともにそれぞれの役割を果たしつつ、連携・協働して教育活動を実践していくことが大切である。
そのために、本校の強みを最大限に生かした教育活動を行う
「素直さを持ち、大きく自立できる可能性を秘めた生徒集団」
新しい経験に心を揺らし、そのことへの感動や感謝を率直に感じ、その先の可能性を見ようとする素直な生徒集団。
「生徒自ら掲げた目指す生徒像への誇りと自信(千代中HERO)」
千代中HEROに受け継がれる先輩たちの意思を大切に考え、生徒活動の中心であり、生徒自身の行動目標として定着している目標への誇りと自信に満ちた生徒。
「教職員に根付いた支援教育の精神」
生徒一人ひとりに寄り添い、常に子どもの近くにいて、子どもの声を聞き、素早く対応し、最後の最後まで配慮し尽くす教職員。
「教職員のチャレンジ精神と旺盛な向上心」
新しい発想とスクラップへの勇気、対教育効果を考えたカリキュラム改革に踏み切れる改善への意欲溢れる教職員。
学校経営方針
新学習指導要領や教育諸法の趣旨を踏まえ、生徒の実態や保護者、地域の期待や願いを把握し、個人の能力向上や個性の伸長を図り、生涯学習の基礎的・基本的な能力・資質を培う学校教育を推進する。“皆が居心地のよい学校”をめざす。
(1)魅力ある授業への全力の傾注
・次の学びにつなげる学習意欲を育てる「指導と評価の一体化」
・単元学習計画、単元評価計画の充実
・人や物・出来事と関わりながら学び合い、高め合う授業の工夫
・インクルーシブの視点で進める授業の構築
・特別の教科「道徳」による、多面的で多角的に考え、深く議論する力の育成
・ICTの効果的な活用 一人一台の端末を「文房具」として位置づけた利用
(2)学級、学年経営の充実
・学校教育目標の具現化に向けた学年経営・学級経営
・居場所づくり・絆づくりをめざした学級、学年づくり
・自己有用感、自己肯定感を高める関係づくり(関わる力の育成)
(3)きめ細かく最後まで指導しきる生徒指導
・指導の瞬間を「逃さず」、適切に「捉えた」指導。「丁寧すぎる」がちょうどいい
・「わかっているだろう」ではなく「わかっていないかも知れない」と考え確認する姿勢。生徒の状況を想像して、生徒の心情を汲み取る丁寧な対応。
・常に保護者と協働して「子どものための最善は何か」を共に考え、同じ方向を向いて指導していく姿勢。
・現在および将来における自己実現を図るための自己指導能力の育成
・生徒一人ひとりの社会的資質や行動力を高める校内生徒指導体制の確立
(4)インクルーシブ教育の充実
・可能な限り同じ場で学ぶ教育の工夫(インクルーシブの視点で発想・企画・実践)
・全職員による支援教育の推進(インクルーシブ教育の教職員研修の計画的展開)
・支援教育を柱とする組織的・計画的な学習指導、生徒指導の実践
(5)キャリア教育の充実
・3年間を見通したキャリア教育の推進(キャリアパスポートの作成と活用)
(6)保健安全指導の充実
・生命尊重を核とする安全指導(防犯、防災・減災、交通安全・マナー)
・インターネット、SNS等の適切な利用やマナー、責任と権利
・食育の推進
(7)学校・家庭・地域との連携・協働
・市民教育の視点を取り入れたふれあい授業の実践
・幼保・小・中の連携強化
・地域ごとの「まちづくり委員会」との連携
→「稲作体験(田植え、草取り、稲刈り)」「地域のボランティアへの参加」による地域連携、伝統文化の融合、地域の担い手としての意識向上と社会力の育成