富士山に笠雲が
- 公開日
- 2017/05/24
- 更新日
- 2017/05/24
できごと
今朝は泉中学校から、富士山が笠をかぶっている様子が確認できました。「富士山が笠をかぶれば近いうちに雨」という天気諺があります。多くの天気諺の中でも、この言い伝えは最高の的中率を誇っているようです。季節的に見ると、春と秋に現れれば的中率は78%、夏なら75%、冬なら70%となり、さらに、笠雲とつるし雲が同時に現れると雨の確率は約80〜85%もの的中率になると言われています。富士山には、周囲に高い山がないため、山越えの気流によって様々な笠雲ができます。富士山は単独峰であるため、湿気をふくんだ風が山に直接ぶつかり、高度を増すにつれて、いろいろな形をした雲があらわれます。笠雲は、高層雲が次第に厚くなって出来たもので、山体に沿って雲のフチがはっきりしてくるときれいな笠の形になります。山頂付近に静止しているように見える笠雲ですが、実はこの雲が発生している時の富士山上層の風は強く、雲も常に新陳代謝を繰り返しています。笠雲は低気圧や前線が接近し、日本列島に暖かい湿った空気が入ってくると発生するため天気が崩れるようです。
つるし雲は、山頂を通り過ぎた上昇気流がロール状に回転して富士山の風下に雲を作ったものです。あたかも凧が天高く上がったように同じ場所に浮かんでいる雲で、雲の形状は円筒状、楕円状、つばさ状などさまざまです。きれいな楕円状の雲などは、大きなUFOが浮かんでいるようにも見えます。このつるし雲が観測されるのは月平均1回程度、しかも発生する時間も数分から数秒と短いため、この雲が見られたときには、ぜひ観察してみてください。
笠雲にはさまざまな形状があり、それぞれに名前も付けられています。富士山に笠がかかっていたら、なんという雲なのか、観察してみてはいかがでしょうか。