校長室だより

画像1 画像1
 6年生の教室にたくさんの瓢箪が吊り下げられています。6年生は総合的な学習で「日本の伝統と文化」について学んでいますが、その一環として瓢箪を取り上げ、栽培されている地域の方からお話を伺いました。さらに育てた果実を分けていただき、各自が絵付けや色付けをしました。地域の方のご協力により貴重な体験をさせていただきました。
 瓢箪は古くから水や酒を持ち運ぶ容器として使われ、時代劇でも侍などが腰にぶら下げている姿をよく目にします。また、「三つで三拍(三瓢)子揃って縁起が良い」とか「六つで無病(六瓢)息災」ともいわれ、縁起物とされてきたそうです。豊臣秀吉が馬印に用いた「千成瓢箪」は特に有名です。何十年も前に飾った私の五月人形の中にも、槍のミニチュアとで並んで瓢箪の馬印があったことを覚えています。もっとも当時は何故武器でもない瓢箪が飾ってあるのか不思議に思いました。
 ところで、瓢箪を見ると私は『西遊記』の話を思い出します。金角と銀角という妖魔の兄弟が、三蔵法師の肉を食べれば不老長寿になれると信じて孫悟空たちを襲った時に使ったものが「紫金紅葫蘆(しきんこうころ)」という瓢箪でした。返事をした敵を吸い込むこの瓢箪がよほど印象に残ったのか、小学校低学年の頃に読んだのに「瓢箪=吸い込む」という図式が未だに私の頭の中から消えないのはおかしなものです。
 西遊記は実写版や人形劇、アニメの番組としてテレビで何度も放映され、その都度私も面白く見ていましたが、やはり觔斗雲(きんとうん)や如意棒などを操る悟空の活躍に「はらはら」「どきどき」「わくわく」しながらページをめくった思い出にはかなわないようです。
 さて、本校では先週から「もみじ読書週間」を行っています。図書委員会の子どもたちのがんばりもあり、毎日大勢の子どもたちが図書コーナーを利用しているようです。私の『西遊記』のように、子どもたちも心に残る本との出合いをしてくれたらうれしいなと思います。






校長室だより

画像1 画像1 画像2 画像2
 小田原市内の各小学校では、子どもたちが二宮尊徳の事績等を学習することにより、郷土の先人を愛する心を育てるとともに、自己の生き方の一助とすることを願って「二宮尊徳学習事業」を行っています。
 本校でも4年生が資料などを使って尊徳の生い立ちや人柄、考え方や功績などについて調べる中で、尊徳の大きな教えである「積小為大」や「至誠」、彼の考えを日常生活で実行するためのキーワードである「勤労」「分度」「推譲」について学びました。また、11月14日(月)には講師をお招きして、尊徳についてさらに詳しい話を伺いました。
 私も小学生の頃、尊徳というよりも「金治郎(金次郎)さん」の話として読みました。捨ててあった稲の苗を育てることから始めて少しずつ自分の蓄えを増やしていき、没落した生家を再興させたこと、勉強好きで昼間も仕事の合間に本を読んだり、夜に読書をするために必要な油を取ろうと菜の花を栽培したりしたことなどを読み、「子どもなのにすごいな」と感心させられました。
 小田原人としては恥ずかしい話ですが、私が尊徳の教えの深さや人としての魅力に惹かれたのは教壇に立ってからでした。今では、
「誠実にしてはじめて禍(わざわい)を福に変えることができる。術策は役に立たない」
「キュウリを植えればキュウリと別のものが収穫できると思うな。人は自分の植えたものを収穫するのである」
という尊徳の言葉を、私自身の戒めの言葉にしています。
 さて、金治郎少年といえば薪を背負いながら本を読む姿の像が有名ですが、本校にも同様な像が建てられています。像の脇にある石碑に刻まれた碑文によると、昭和8年に「愛山会」という本校のある年度の卒業生の会の方々が、会の創立二十周年を記念して寄贈してくださったものだそうです。残念ながら昭和18年に大東亜戦争(太平洋戦争)のため供出することになり、しばらくは金治郎像がない状態が続いていたのですが、昭和28年に本校の開校八十周年を記念して、愛山会の方々が再度寄贈してくださったそうです。
 卒業生の方々が本校及び本校の子どもたちを大切に思ってくださったことに感謝するとともに、彼らの心で満たされたこの像が子どもたちを毎日温かく見守っていることを考えると心強い思いがしてきます。また、先輩方のこうした思いをぜひつなげていかなくてはいけないと思いました。
 ところで、本校の金治郎少年が読んでいる書物は「大学」だそうです。(3年前の4年生たちに教えてもらいました)

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
学校行事
4/5 始業式・入学式
4/6 離退任式

お知らせ

学校便り

保健便り

給食便り

PTA便り

HP掲載資料

レシピ