【校長のつぶやき】「よい授業」って…?その2(令和4年8月23日・火)

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 昨日の続きです。

 「よい授業」と思う2点目は、子供同士がいい雰囲気で関わり合っている授業です。
 前提として、自分の考えや思いが言いやすい(発言しやすい)雰囲気になっていること。「こんなことを言ったら笑われるかな?」「間違えたら馬鹿にされるかな?」という心配をしなくてもいい温かい学級集団になっていることが前提という意味では、やはり学級経営の在り方が大切になってきます。「教室はまちがうところだ」という蒔田晋治(まきたしんじ)さんの有名な詩がありますが、この詩に表現されているような学級は理想と言えるでしょう。授業を通して、他人を思いやる心も育ちます。「こういう言い方をしたら、相手が傷つくかな。」ということを意識していくのです。本校の学校教育目標の「美しい心」にも通じます。

 また、一人で調べ、解決し、そこで完結できるのであれば、学校で学ぶ意味がありません。いろいろな見方、考え方があり、それを受け入れつつ、自分の見方や考え方などと照らし合わせながら、自分自身の考えを高めたり深めたりする、…このような学びができるのが集団で学ぶ学校の授業の意義です。このような学びができる授業が、「よい授業」の3点目かと思います。本校の学校教育目標の「向上心をもつ」にも通じます。
 自分の考えが独善に陥らないよう周囲の人たち(友達)の考えを聞き、吟味する。これは、社会で生活していく上でも必要な力です。独裁者による政治より、民主主義の政治が国民を幸せに導くのも、このような姿勢の延長にあると言えるでしょう。
 国語の読み取りも友達の読み取りを聞くことで、同じ文章表現からもいろいろな解釈があることを学ぶことになります。
 算数の問題の解き方も同様です。いろいろな解き方があり、どの解き方がどんなときにもより速く簡単で正確か(「はかせどん」と言っています)を追究します。
 社会科でも、いろいろな立場の人たちから社会が構成されていることを考えれば、一つの社会問題への対処の仕方も様々な考え方・アプローチがあります。政治家と国民(市民)、生産者・販売者と消費者、経済の効率性と環境問題、戦争を行っている互いの国の立場…資料を基にそれぞれの思いや見方・考え方を考え、今の時代(歴史的なものの見方・考え方)、自分たちが住んでいる地域(地理的なものの見方・考え方)では、どのようにすることがよりよい生活になるのかを考える教科です。
 音楽や図工でも、自分が表現したいことを人に伝えるためには、どのような表し方をすればよいか、どのような技法を身に付ければよいか、友達の助言を受け入れながら高めることが大事です。
 体育でも、「技ができるようになりたい、より上手になりたい、チームとして勝てるようになりたい」という思いをもとに練習を重ねますが、その過程で友達との関わりの中から有効な助言を得ることが、技を習得したり、チームの力を高めたりすることにつながります。
 他の教科でも、それぞれの教科の特性の中で、このような学びが意味をもっていることは明白です。
 友達の言葉を聞いて、「なるほど、自分一人ではそんなこと、思いもしなかったけど、言われてみればそういう考え方もあるな。」「確かに友達の言っていることももっともだけど、でも、自分が考え方をもう一度振り返ってみると、やっぱりこう思うな。」など、自分の考えが変わることもあれば、より強めることもあるでしょう。「絶対にこう考えなければならない」ということはないかと思います。大事なことは、かたくなに自分の考えに固執するのではなく、他を受け入れながら自分自身を見つめ直すということではないでしょうか。そのような授業ができれば、すばらしいことだと思います。そのような授業で学んだことは、生きていく上でも必要な力になると感じています。

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