学校での子どもたちの様子をお伝えします。

桐の花

桐の花

先日、6月の時候のあいさつを何にしようかと探してしていたら「桐の花の咲く候」というのがありました。そうか、桐の花は6月(初夏)に咲くんだったと再確認したのでした。

「桐」といえば、家具や琴の材料として用いられ、湿気を通さず、割れや狂いが少ないことから、高級木材として重宝されてきました。桐は成長が早いため、かつて日本では女の子が生まれると桐を植え、結婚する際にはその桐で箪笥を作り嫁入り道具にするという風習もあったようです。

桐は鳳凰(ほうおう)の止まる木として神聖視され、その紋章は嵯峨天皇の頃から天皇の衣類の刺繍や染め抜きに用いられるなど、「菊の御紋」に次ぐ高貴な紋章とされてきました。日本には白桐をもとに意匠化された家紋がいくつかあります。それらを総称して桐紋(きりもん)もしくは桐花紋(とうかもん)というのですが、中でも五七桐と呼ばれるスタイルが有名です。

また、中世以降は天下人たる武家が望んだ家紋としても有名で、足利尊氏や豊臣秀吉などもこれを天皇から賜っています。このため五七桐(ごしちぎり、ごしちのきり)は「政権担当者の紋章」という認識が定着することになったようです。私たちが、教科書などで見る織田信長像もこの五七桐の花紋のついた裃を着ています。しかし、徳川家康は天皇からの桐紋の下賜を断り、三つ葉葵を家紋としています。

現在でもこの五七桐の花紋は「日本国政府の紋章」として、ビザやパスポート、500円硬貨にも使用されています。

修学旅行でお世話になった旅館の食器には五三桐(ごさんのきり)がプリントされてました。法務省や皇宮警察はこの五三桐を使用しております。
(家紋は植物だけではありません。鳥やその羽、雪輪などいろいろです。)

植物と人々との関わりも様々ですね。

時候のあいさつから家紋へと話が飛躍してしまいましたが、季節の花である「桐の花」を探してみてください。身近なところにあると思います。
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