学校での子どもたちの様子をお伝えします。

芭蕉生誕370年

芭蕉生誕370年

先週末、所用があって豊田市に行ってきました。
豊田市もかつては挙母市(ころもし)と呼ばれ、江戸時代には挙母藩が置かれて
いました。現在はトヨタ関連の企業城下町として栄え、平成の大合併で面積は
愛知県全体の20%を占め、人口も42万人と名古屋に次ぐ愛知県2位の都市
となっています。

所用を済ませた後、伊賀市に行ってきました。かつては上野市と云っていたの
ですが、ここも町村合併で伊賀市となりました。

伊賀というと僕はすぐに忍者を連想するのですが、皆さんはいかがでしょう?
僕らの世代は忍者になじみが大変深いのです。
幼少期から少年期にかけテレビでは風のフジ丸、隠密剣士、忍者部隊月光、
サスケ、仮面の忍者赤影、忍者ハットリ君・・・、伊賀の影丸、忍者武芸帳、
カムイ伝など白土三平さんの漫画もよく読みました。
忍者ものは大人になった今でも好きです。金沢や戸隠の忍者屋敷にも、近くへ
行った折にはよく寄って来ます。

伊賀や甲賀、根来はあまりにも有名ですが、小田原風祭には北条に使えた忍
者、風魔一党がいました。風魔小太郎という名を聞いたことはありますね。
風魔の頭領は代々、小太郎を名乗ったようです。
一昨年には小田原で“忍者サミット”も開催されております。
この時も伊賀と甲賀が参加しております。

風魔一党には二曲輪猪助(にのくるわいすけ)という足の速い忍者がおり、
上杉と北条が河越城で戦った際に太田犬之助という忍者に追いかけられた話も
伝わっています。また、「忍たま乱太郎」にも二郭伊助という名で出てきます。

今回は忍者ではなく「芭蕉」を中心に見学をしてきました。芭蕉は蕉風俳諧の
祖として有名ですが、「奥の細道」は中学の国語教材としても取りあげられ、
日本人にとってはなじみの深い作品となっています。先週、真鶴町で行われた
「かながわ学びづくり実践研究 確かな育ちを支える幼小中連携教育」の授業
公開でも真鶴中では「奥の細道」を題材に授業公開をしていました。
また、この夏NHKでは「日めくり奥の細道」を放送してました。
その芭蕉の生誕の地が伊賀市なのです。

今年は芭蕉生誕370年ということで、芭蕉翁記念館で芭蕉直筆の色紙や俳諧
に関する資料を見学し、芭蕉翁生家、蓑虫庵を見てきました。
 古池や かわずとびこむ 水の音
蓑虫庵には池があり、その傍らには石碑があり石の蛙もおりましたが、
この句は深川の芭蕉庵で読まれたのではないかといわれてます。
記念館では、「俳諧中興時代−芭蕉に帰れ」という企画展が行われており、
 「古池や その後とびこむ かわずなし」
という、川柳も掲げられていました。 

でも芭蕉といえば、何といっても「奥の細道」ですね。
僕らの世代は、中学の国語の時間で暗唱させられました。方丈記も平家物語も
枕草子もみな暗唱させられました。国語だけでなく英語も、みな暗唱でした。
斎藤孝さんの「声に出して読みたい日本語」が話題になったのは25年位前だと
思いますが、「じゅげむ」をはじめ、そのほとんどは小学校や中学校で暗唱させ
られ覚えてました。小・中学校の記憶はなかなか消えません。

芭蕉と同時代に活躍した人物としては、井原西鶴、近松門左衛門がおります。
西鶴は町人物を得意とし、「日本永代蔵」では、
 “ただ金銀こそが町人の氏系図”
と、商人の道はただひたすらに銭もうけにあり、勤倹貯蓄、信用、才覚や
忍耐力を美徳として繰り返し説きます。
近松は武士の出身ですが、歌舞伎や人形浄瑠璃などの脚本を書きます。
役者としては江戸で市川團十郎、上方では坂田藤十郎や芳沢あやめなどが
活躍します。
さらに人形浄瑠璃では、辰松八郎兵衛らの人形遣いと竹本義太夫らの語りとで
歌舞伎以上の共感を人々に呼び起こしたともいわれております。

彼らが活躍するのは、17世紀末から18世紀初めにかけての上方(京・大坂)
が中心です。京では葵祭が復活したり、江戸城松の廊下での刃傷事件や
その後の赤穂浪士の討ち入りがおこったのもこの頃です。
国内外の平和と安定を背景に、徳川5代将軍綱吉の時代を中心とした町人が
文化の主役、担い手であった、いわゆる元禄文化時代です。

話を芭蕉に戻します。
「奥の細道」の冒頭部から、旅に対する想いが、ひしひしと伝わってきます。
特に、
  “日々旅にして旅をすみかとす”
 “片雲の風に誘われて、漂白の想い胸にやまず・・・”
 “前途三千里のおもい胸にふさがりて・・・”
などからは、
  旅の中を旅するのが人生。旅、そのものが人生だ。
  みんな旅の途中、夢の途中なんだ。
と、いっているような気がしてなりません。

僕らの心にも「そぞろ神」を招き入れ、「旅」に出たいものです。

 “本当の旅の発見は、
  新しい風景を見ることではなく、新しい視点を持つことにある。”

電車の中刷り広告で見たマルセル・プルーストの言葉を紹介し、終わりとします。 

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