読解力を向上させるには……?(国語科)
- 公開日
- 2020/05/14
- 更新日
- 2020/05/14
できごと
こんにちは。国語科の内田です。12、13日に皆さんの顔を見て、早く授業をしたいなあという気持ちが高まっています。私はこの休校期間、知識を蓄えるために読書に精を出しています。皆さんもこの期間をよい機会だととらえ、読書を習慣にしてほしいと思います。
本を読むのは気が進まないという人でも、読解力を上げたい!という人は少なくないのではないでしょうか。残念ながら、読書を避けて読解力を向上させることはできません。
実は、「読んだ本の量」と読解力の関連ははっきりしていないそうです。ただ、「熱中して読書する」ことが、読解力を向上させることは国際的な調査でわかっています。スポーツの練習と一緒で、「量」より「質」が大事だということですね。
「いやいや、読解力がないから、読書が熱中できない(楽しめない)んです」という反論もあるかもしれません。たしかにその通りで、私も子供の頃は、文字だらけの本を読んでもあまり内容が理解できず、読書は苦痛でした。読解力が向上すれば読書に熱中でき、読書に熱中できれば読解力が向上するという好循環になる……はずです。
では、読解力を向上させるには具体的にどうすればよいのでしょうか? 大学教授の犬塚美輪さんという方が書いた『生きる力を身につける 14歳からの読解力教室』(笠間書院)には、読解力を向上させるためのこんな方法が紹介されています。
○基本的な読み方のコントロール
・あれ?と思ったらゆっくり読む
・分からないと思ったら何回か読む
○明確化
・「コレ」「ソレ」などが何を指しているかはっきりさせる
・あいまいな表現のものをつまりどういうことか言いなおす
・はっきり書かれていないことを足して言いなおす
・自分の言葉でいいなおす
○要点把握
・大事そうなところを見つける
・キーワードを見つけて目立つようにする
・だいたいどういう流れなのか図にする
・箇条書きにする
○理解チェック
・分からないところはどこか考える
・自分がちゃんと分かっているか確認する
・先生ならどんな質問するか考える
○構造注目
・文章の段落構造に注意する
・接続詞に注目して話の流れを捉える
・いくつかのまとまりを作って整理する
○知識の活用
・関連することでなにか知っているか思い出す
・知っていることと同じところ、違うところを考える
・知っている内容と結びつける
「あれ? これって国語の授業でやっていることじゃん」と思った人もいるかもしれません。そうなんです。国語の授業はその読み物の内容を学んでいるだけではなく、「読み方」も学んでいるのです。授業で学んでいる上のような読みの方法を、個人的な読書でも試してみてください。読書の「質」はぐっと上がります。
兄弟や親子で同じ本を読んで、それについて話すというだけでも読みの方法を実践していることになるので読解力の向上につながると思います。また、3年生に取り組んでもらった本を紹介する課題のように、誰かに本を紹介するつもりで、ノートに本の内容や感想を簡単にまとめるというのも読解力を向上させるおすすめの方法です。「受け身」の読書ばかりでなく、「質」を高める「攻め」の読書に挑戦してみてくださいね。読解力が向上すれば他教科の勉強にも役立ちますし、楽しめる本の幅がぐっと広がりますよ。