学校日記

離退任職員のあいさつ 佐々木 義司先生(教諭)

公開日
2020/03/25
更新日
2020/03/25

できごと

 気がついたとき、スティーブは砂浜に打ち上げられていた。どうやら船が遭難し、島に流されたようだ。向こうに人里が見える。とりあえず、歩いて行くことにした。
 向こうから人が歩いてくる。よく見ると、その人は一つ目だ。スティーブは言葉にできない嫌悪の情を抱いた。さらに歩くともう一人、その人も一つ目だ。また次の人も一つ目だ。次第にスティーブは、自分が違うのではないか、という恐怖の念にとらわれ始めた。
 不意に、通り過ぎた子どもが声をあげるあの人、二つ目だよ、と。スティーブの周りを一つ目の人たちが取り囲む。お前は何者だ、と。迫りよる人の圧力。オレはどうなるのか。
……この結末はあなたの想像に任せます。
自分の価値観を人に押しつけることから、いじめや差別は始まります。もしも自分と違う人と出会ったら、まず話を合わせ折り合わせてみてください。その人となりを認めてください。そして仲間となり、仲間を増やしてみてください。「障がい」という壁を、あなたから越えてみてください。ではまた。