学校での子どもたちの様子をお伝えします。

宇宙監視

宇宙監視

 10月27日(月)、理化学研究所創発物性科学研究センターの上級研究員の山本先生をお招きして6年生の理科の特別授業が実施されました。熱電変換器を用いて温度差を利用したゼーベック効果による発電やペルティエ効果を利用した電流から熱への変換実験などを行い、子どもたちにもわかりやすいエネルギー変換、理科の不思議を実体験させていただきました。ありがとうございました。

 先週の新聞に、「宇宙監視 米軍と連携」という記事が掲載されました。宇宙空間での安全保障上の脅威が高まっており、日本はJAXAの衛星の安全を監視してきたが、今後はその対象を他国の軍事衛星や情報衛星に拡大するという内容です。将来的には、自衛隊に宇宙監視の専門部隊を新設することを検討しているそうです。
 宇宙空間では衛星攻撃兵器を使った実験を行っている国もあり、この破壊実験や宇宙ゴミと呼ばれる機能停止した人工衛星などによって、現在運用中の衛星やGPSが使えなくなる可能性があり影響が大きいとのことです。

 この夏、「立花隆の宇宙教室」という本を読みました。立花さんの本はどれも面白く、「さる学の現在」や「20歳のころ」、「脳を鍛える」などが記憶に残ってます。最近では「臨死体験」に関連しNHKで「立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」を放送してましたし、11月号の文藝春秋でもこのことについてコメントしています。
 「宇宙教室」は小学校で行った「宇宙授業」の記録です。その過程で子どもたちはどのように「思考する技術」を身につけるのかをテーマに構成されています。なかなか面白く読みました。その中で新たな知識の獲得もできました。いろいろな方との対談もあり、最近の立花本ではおすすめの一冊です。

 本の中で立花氏は、我々が目にすることのできる宇宙はわずか4%に過ぎない・・・と、ガガーリンから53年、まだまだ宇宙は未知なる空間なんですね。
 夜空に輝く星はみな恒星です。太陽に代表される恒星は核融合現象を起こし、超高温、超高圧状態になっていていかなる生物も住めません。地球から一番近い太陽以外の恒星は4.4光年(光の速さは秒速約30万キロ、光で4.4年かかる)離れたケンタウルス座α星です。秒速20キロメートルで進む太陽が1000年たっても隣の恒星にたどり着かない程、宇宙は広いのです。(ケンタウルス座α星に行くのにも現在の技術では数十万年かかります。)
 恒星の周りには惑星があり、そこには知的生命体が存在する可能性が大きいことが宇宙望遠鏡探査衛星ケプラーのデータからも裏付けられています。私達が存在するのと同じように宇宙人が存在しても何の不思議はありません。「はやぶさ」の探査など、科学技術の発展とともに太陽系以外の系外惑星のことも少しずつわかってきています。宇宙の扉は少し開いたといったところでしょうか。

 夜空を輝かせる星に、人類は太古の昔から憧れと畏れを持って接してきました。星の動きや星座の移り変わりで季節を知り、日常生活に役立ててきました。その私達の最も身近な宇宙空間で人類の知恵が衝突してます。人間の傍若無人な振る舞いのつけが回ってこないよう、科学技術は平和利用を前提に発展して欲しいものです。

 来月4年生は、「かわさき宙(そら)と緑の科学館」のプラネタリウムを見学し宇宙の不思議を体験してきます。

「はやぶさ2」その後

「はやぶさ2」その後

 週初めの20日(月)に、11月30日に予定されている小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げで使用するH2Aロケット26号機の機体主要部分を飛島工場(愛知県飛島村)で公開したとの報道がありました。

 僕は前回の「はやぶさ」に非常に興味がありまして、「どっかいっちゃった」とか
「エンジン停止」とかこれまで新聞に載っていた小さい記事も読んでいたんです。
「イトカワ」で砂を取ったこともすごいことだけど、「帰還」したことがとてもうれしかったのです。「はやぶさ」にはもちろん魂はないんだけれど、人間がそれを使って「人智」というものの凄さを見せ付けてくれたと思うんです。

 「はやぶさ」は2003年に打ち上げられ、7年ぶりに還ってきました。その間、故障等多くの困難にみまわれ、一時は行方不明になったのですが、人間の知恵と工夫で奇跡の復活、携わる人々の考えられる全ての機転と技術を工夫と知恵に変え、粘り強い運用と管理で乗り切ったことは、ただただ、すごいの一言です。

 「はやぶさ2」は来月30日に種子島から打ち上げられるのですが、予定通りにいけばC型小惑星に到着するのは2018年半ばで、1年半ほど小惑星に滞在して2019年末頃に小惑星から出発、そして2020年末頃に地球に帰還する予定だそうです。

 様々なアクシデントも起こりうるのでしょうが、絶対何とかするという一念は「あきらめない大切さ」、そして一人ではできないことをチームワークで解決する力は「執念」をも生み出すんじゃないのかな。是非、今回もそうであって欲しいです。

 これらを僕たちに置き換えれば、子どもの変化に気づかなければ始まりません。予見しなければダメですね。

 「心配していたことが起こってしまうのは三流、心配していたことは起きないのだけれど、予想もしていなかったことが起こるのは二流、一流の人は何も起こらない」とは、小惑星探査プロジェクト「はやぶさ」を完遂したマネージャーの川口淳一郎さんの言葉。
 一流にはなり得ないとしても、そこに近づく努力はしないとね。心配もしてないというのは論外です!

 「はやぶさプロジェクト」に比べて足柄小がやっていることはまだまだちっぽけなことですが、「最後まであきらめない」「死に物狂いの執念」は共通していてほしい。足柄小の児童・職員はこの「はやぶさ」から多くを学んでほしいんです。そして、今回のプロジェクトについてもその動向をしっかり見守っていて欲しいと思います。

 ところで、三菱重工飛島工場って名前がいいですね。いかにも飛んでいくぞとという感じで・・・飛島村、素敵な名前です。

10月10日 前期終業式での校長の話

10月10日 前期終業式での校長の話

今日は前期の終業式を行いました。

先日の小田原・足柄下地区児童生徒科学展入賞者の表彰を行った後、
2年生と3年生の代表生徒から、前期を振り返っての感想の発表がありました。

 「ミニトマトの栽培を一生懸命がんばりました。」
 「私は算数をがんばり、計算が楽しくできるようになりました。」
 「これからも、あきらめないでがんばり続けたいと思います。」
と、二人とも背筋を伸ばし、しっかりとした声で自分の意見を発表していました。

聞いていて、子どもたちのがんばっている姿が目に浮かんできました。

その後、私からは次のような内容を話しました。

おはようございます。
今日で平成26年度の前期が終了します。
4月からの半年間があっという間に過ぎました。
学校でのいろいろな活動を通して、みなさんは少しずつ成長してきました。

始業式に、目標は二つ持つとよいと話しました。
一つ目は、野球やサッカーの選手になりたい、ケーキ屋さんになりたいといった
大人になったらの大きな目標のことです。
もう一つは、算数の成績を伸ばしたい、逆上がりができるようになりたいという
がんばればできる具体的な目標です。

みんなの目標はどうでしょう? 目標に近づいていますか?

前期の終わりの日にもう一度、年度初めに自分が思っていた目標や計画がどこ
までできているのか確かめてください。
そして、どうしたら目標が達成できるか工夫してください。

よくみなさんも、「わからない、できない」といいますね。
でも、「わからないこと、できないこと」をなぜわからないのか、なぜできないのかを
証明するのは大変難しいです。

それよりも、どうしたらわかるのか、できるのかを考え工夫することの方が
よっぽど簡単です。

どうしたら目標に近づくのか、どうしたらよりよくすることができるのかについて、
是非、考え工夫してください。
考え、工夫する習慣が身についてくると、物事を前向きに考えられるようになります。

今日は通知表も渡されます。
担任の先生方が、みなさんの学校での様子をコメントしています。
通知表をしっかり読んでください。
そして、学校生活や学習についてもしっかり振り返りをしてくださいね。

のこりの半年間で、自分の目標をしっかり達成してください。
後期のがんばりを期待しています。

夏目漱石と「はやぶさ2」

夏目漱石と「はやぶさ2」

三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月7日午後2時16分、鹿児島県の種子島宇宙センターから、静止気象衛星「ひまわり8号」を搭載した国産ロケット「H2A」25号機を打ち上げました。

昨日の台風18号も日本各地に甚大な被害をもたらしましたが、「ひまわり8号」では台風の中心付近の風向きや風速をこれまでより詳しく捉えられるため、進路の予報の精度も向上すると期待されています。

日本のロケットは歴史は、戦後初の実用ロケット研究として昭和20年代末の糸川英夫博士のペンシル型ロケットに始まります。
その後、日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げに成功したのは、僕が小学校を卒業する一月ほど前の1970年の建国記念の日でした。「おおすみ」は人工衛星打上げ技術の習得と衛星についての工学的試験を目的として打ち上げられ、電離層や宇宙線などについての科学実験を目的に打ち上げられたのは翌71年9月の「しんせい」でした。
77年7月には気象観測を目的に「ひまわり」が打ち上げられます。その「ひまわり」も今回で8代目と云うことになります。

今年の11月30日13時24分48秒に種子島宇宙センターから、「ひまわり8号」と同じH2Aロケット26号機で「はやぶさ2」が打ち上げられます。

JAXAのホームページでは、
 「はやぶさ2」では「はやぶさ」で培った経験を活かしながら、太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するため、C型小惑星「1999 JU3」を目指します。
 太陽系の起源や進化を知るためには、代表的なタイプであるS型、C型、D型の小惑星を調査する必要があります。
 「はやぶさ2」が目指すC型小惑星はS型小惑星のイトカワと比べるとより始原的な天体で、同じ岩石質の小惑星でありながら有機物や含水鉱物をより多く含んでいると考えられています。
 地球をつくる鉱物、海の水、生命の原材料物質は、太陽系初期には原始太陽系星雲の中で密接な関係を持っていたと考えられており、始原的な天体であるC型小惑星から採取したサンプルを分析し、太陽系空間にあった有機物や水がどのようなものであったのか、またどのように相互作用し共存してきたかを探ることで、生命の起源にも迫ることができると期待されています。

と説明しています。

科学の進歩はとどまるところを知りません。
夏目漱石は内田百間との会話の中で、「科学は進歩しているけれど心配だ」、「科学の進歩こそが私たちの不安の原因だね」といってます。それに対して百間がこたえた後、さらに漱石は「止まることを知らない科学の進歩に私たちは翻弄されるだろう」というんです。百年近くも前の文豪が、時代の先見性を持っているんです。

コンピューターやロボットが意思を持つ時代も、近い将来やってくるかもしれません。4月に小田原城銅門で行われたコンピューターとトップ棋士との将棋対決「電王戦」でも、コンピューターが勝利しましたね。2003年の未来からやってきた「アトム」の世界に、現代の科学は限りなく近づいているのです。

今週はノーベル賞の発表もありますが、科学技術は平和利用を前提に進歩していただきたいものです。

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