学校日記(ブログ)

相田みつをとピカソ

公開日
2014/10/08
更新日
2014/10/09

お知らせ

10月8日(水)「相田みつを」と「ピカソ」の共通点
 エッグフォワード株式会社の徳谷さんという人が書いた本の中に、相田みつをの書について、次のような内容が書かれていました。『独特の書体、あの文字はうまいのか、下手なのか?なぜこんな子どもでも書けそうな書体なのか?実は、相田みつをは、書のコンクールで日本一になったことがあり、「日本一の腕」がありながら、そのスタイルを捨て、あの独特の書体を追求した』ということでした。
 ピカソも、「子どもが書いた落書きみたいな絵なのに、なんで有名なの?」という素朴な疑問を私も小さい頃から持っていました。すると「ピカソは本当はすごく上手に描けて、昔は写真みたいな絵も描いてたんだけど、わざとああいう絵にしたんだよ」と小学生向けの解説書に書いてありました。また、「オルセー美術館の短時間ガイド」には“ピカソは「キュビスム(キュービズム)」と呼ばれる芸術動向の創始者で、従来の遠近法(一点透視図法)によらず、異なる複数の視点からとらえた物体の形を一つの画面に描写し、断片化された平面として再構成する独自の表現方法を確立した。”とも書かれていまし た。
 「相田みつを」と「ピカソ」に共通点があるのはここです。どちらも書や絵画の正統派の中ではトップにまで登りつめたにもかかわらず、まるで子どもでもかけるような書や絵に変化していったのには理由があったということです。できあがった作品だけを見ると「こんな書や絵は誰にでも描けそうじゃないか」と思われる物ほど、実は奥が深いということだと私は思います。「奥深さ」と簡単に書きますが、それは“マリアナ海溝”よりも深く、“宇宙”全体よりも広いくらい、私のような凡人には理解できないことがたくさんある、ということかもしれません。中学生には、いろいろな本を読み、知らない世界を文字から知ることはとても大事であり、ピカソの絵を見て「なんだこれ?」と素朴な疑問を持ちながらも、「なんでこういう絵になったのか?」という疑問を、解決しようとする気持ち、追求(追究)しようとする気持ちを持ち続けてほしいです。
 単に、中学校の教科の学習だけやっていればいい、入試科目の教科だけを勉強すればいい、だから保健体育、技術家庭、音楽、美術はやらなくていいんだ…などという短絡的な発想を持たないでほしいです。私は、このような技能教科の学習の方が、高校に入るための学力検査で実施されるいわゆる5教科の学習よりもはるかに奥が深いと思っています。
 ところで、ピカソには長い名前があり、それは…パブロ・ディエーゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード という名前だったらしいです。「だから何?」なんですが、私は『へぇ〜』と言ってしまいました。

 写真は、本校美術室の後方に飾ってある美術部生徒の制作物です。美術の教科書や授業でも取り上げられる絵画「ゲルニカ Guernica」です。このゲルニカについて調べると“スペイン内戦中の1937年に制作され、ドイツ軍の激しい空襲を受けたスペインの都市ゲルニカを題材としている”ということですが、たしかに子どもでも描けそうな感じがしてしまいます。でも、これがキュビズムというのでしょう…。