図書室だより2019 〜その6〜

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「北加伊道 松浦武四郎の
        エゾ地探検」
(関屋敏隆 著・ポプラ社)
 海の日にNHKで放送された「永遠のニシパ」を見た人も多いでしょう。このドラマはおよそ150年前、蝦夷と呼ばれていた北の地を「北海道」と名づけた松浦武四郎の活躍が描かれたものです。
 武四郎は生涯6度にわたり蝦夷地を調査し、アイヌ語の地名や文化を記した地図・記録を多く残しました。この「北加伊道」では繊細で緻密な型染版画とともに武四郎の功績が紹介されており、あまり知られていないアイヌ人の生活や風習を見ることができます。北海道の珍しい地名の数々は、アイヌがルーツだったのですね。今年4月にはアイヌ新法も制定され話題となりましたが、中学校でも学習するアイヌのことを、この絵本でもっと身近に感じられたら良いなと思います。
4日に行われた読み聞かせ「クマと少年」(あべ弘士 著・ブロンズ新社)の絵本もアイヌがテーマでした。あわせてぜひ読んで見てくださいね。

図書室だより2019 〜その5〜

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「せんせい。」
(重松清 著 新潮社)

これは現在上映中の「泣くな赤鬼」という映画の原作を含む短編小説集で、教科書でもおなじみの重松氏の作品です。それぞれに異なるタイプの“先生”と“生徒”の物語が描かれ、一話一話に重みがあるものの、非常に読みやすいので中学生にもおすすめです。
この中でも「にんじん」は、先生と生徒にありがちな王道の心温まる話ではなく、先生が教え子に対し生々しい感情を吐露する描写が印象的な物語。先生ならズキッと、生徒ならグサッとくる内容ではないでしょうか。生徒が人間として未熟である一方、先生も当然ながらひとりの人間であって、完璧な存在ではないのだと思わせられます。
子どもにとって先生は家族以外に最も深く関わる大人であり、間違いなく大きな影響を与えてくれる存在。そして先生も生徒から影響を受け、常に一喜一憂しながら生きているのでしょう。

重松氏の作品はこのほか「星のかけら」「卒業」「エイジ」など。


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