図書室だより2019 〜その2〜

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「なまえのないねこ」
(竹下文子 文 町田尚子 絵 小峰書店)

今回はこの春に出版された、少し切なくて温かい絵本を紹介します。
主人公は一匹ののら猫。周りの猫たちには名前があるのに、ぼくには
ない。犬にも花にも名前はあるのに、ぼくにはない。ぼくも名前が
ほしい…。でも、猫は女の子と出会い、本当にほしいものは名前では
なかったのだと気づくのです。

表紙の猫の絵は、今にも動き出しそうなほどリアル。翡翠のような緑色の瞳が印象的ですが、これは物語のラストに結び付く重要なファクターとなっています。


新学期も1ヶ月が過ぎ、まだまだ友人ができないと悩んでいる人は、相手の名前を呼ぶことから始めてみてはいかがでしょう。きっと、親しくなれますよ。

 ※ 竹下氏の絵本はこのほか「せんろはつづく」「ねえ だっこして」(共に金の星社)、町田氏は「さくらいろのりゅう」(アリス館)「ネコヅメのよる」(WAVE出版)などで楽しむことができます。

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