図書室だより2020 〜その15〜

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「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」
(万城目学 著  KADOKAWA)

 今年初の本紹介も猫に関するものでしたが、2月22日は猫の日!ということで、これにちなみ今回は猫が登場する小説を紹介します。小学1年生のかのこちゃんと猫のマドレーヌ夫人(犬の玄三郎と夫婦なので、夫人)が織りなす他愛(たあい)ない日常が描かれ…と思いきや、猫同士で会話をしたり、マドレーヌ夫人が人間の「かとりさん」にすり替わってしまう出来事など、単なるほのぼの動物小説にとどまらないシュールな世界感がとても面白い作品です。
 終盤(しゅうばん)でかのこちゃんは様々な別れに遭遇(そうぐう)しますが、最後にかのこちゃんがマドレーヌ夫人に対して放つ言葉は非常に印象的。彼女はマドレーヌ夫人を猫としてではなく、ひとりの人格あるものとして見ていたのかもしれませんね。
 万城目氏の小説はこのほか「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」「偉大なる、しゅららぼん」などがおすすめ。独特の万城目ワールドをぜひ楽しんでくださいね。

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