図書室だより2020 〜その14〜

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「ふしぎなえ」(安野光雅 著 福音館書店)

 昨年12月に画家の安野光雅氏が逝去(せいきょ)されたというニュースは衝撃でした。水彩で描かれた淡く優しい色使いの風景画には、見た人誰もが懐かしい感覚に陥(おちい)ってしまうような不思議な癒(いや)しが漂います。
 1968年に出版された安野氏の最初の絵本「ふしぎなえ」は、トリック絵本として当時瞬(またた)く間に評判になったそうです。小人たちが永遠に続く階段を上り続けたり、絶対に出られない迷路に迷い込んでいたりと、エッシャーのだまし絵に影響を受けたという作品は何度見ても不可解かつ魅力的。 どこで何がどうなってるの?と思わず感心する面白さは、出版されてから50年以上経った今も新鮮に見えます。自然科学の知識も豊富で、スマホも使いこなしたという安野氏ですが、絵本の中の作品に哲学のにおいが感じられるのも分かる気がします。
 このほか「さかさま」「ふしぎなさーかす」などのだまし絵シリーズのほか、旅の風景を綴った「旅の絵本」も図書館にそろっています。まとめてどうぞ。

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