図書室だより2020 〜その1〜

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「サクラ咲く」(辻村深月 著・光文社文庫)

 今年の春は誰もが満開の桜を楽しむことができないまま過ぎてしまいました。そこで、今年度1回目の本紹介は春らしい題材の物語を紹介し、読書で春を味わってもらえればと思います。
 この小説は3つの短編から成りますが、それぞれの物語が少しずつ繋がりあっており、伏線の敷かれ方も見事。表題作「サクラ咲く」では、中学の図書室の本に「サクラチル」と書かれた紙が挟まれていることをきっかけに、少女と誰か分からない相手との交流が始まります。手紙を挟んだ相手とは一体誰なのか。物語の中では有名な本の題名もたくさん出てくるので、本好きな人はそれだけでドキドキするかも。
3篇ともに中高生が抱く繊細な感情や情熱がストレートに伝わってくる青春物語ですが、中高生だけでなく、ぜひご父兄にも読んでもらいたい小説です。休校が明けたらぜひ図書室に借りにきてくださいね。

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