片浦小学校は、小田原市内から南西の方角に位置し、真鶴町・湯河原町に接しています。 学区内を白銀山・聖岳を中心とした箱根外輪山が海まで迫り、その海岸線沿いにある石橋・米神・根府川・江之浦の4つの地区から成り立っています。 海岸線沿いには、東海道本線・国道135号線が通り、熱海・伊豆方面への交通の要所となっています。 気候温暖にして、山麓の緩やかな傾斜地では、昔からミカン栽培が盛んに行われてきました。また、相模湾に面した江之浦漁港では、豊かな海の幸を求め、漁業が営まれてきました。
開校は片浦村と称するようになった大正4年10月24日、と学校沿革史に書かれていますが、 古くは4つの村々個々に、明治6年8月2日に学生発布と同時に開校しています。 したがって実際には、130余年の歴史を刻んできた学校といえます。 本校の草創期には、詩人の福田正夫先生が「訓導」として在職した学校でもあります。 平成27年には、大正4年から数えて開校100周年を迎えました。
児童数の減少から平成24年度から特認校制度を利用し、市内の児童を受け入れることになりました。 JR小田原駅から2駅6分で根府川駅に着きます。 そこから徒歩7分という近さと、豊かな自然に囲まれた環境の良さ、地域の人々の強力な支援のもと、少人数ならではのきめ細かな指導を進めています。
本校は小規模特認校制度をスタートさせるにあたって、次の4つを約束しました。 1少人数を活かし確かな学力を育成します 2自然環境や伝統を活かし豊かな心を育みます 3地域が一体となって学校を支えます 4放課後の時間を充実させます
4年生以上の全児童で構成している「金管バンド」は本校の伝統が受け継がれているものです。 上級生が下級生に演奏の仕方を教えるという伝統があり、トランペットなどの金管楽器を吹くのは難しいという、 大人の固定観念を吹き飛ばし、市内ただ一つの金管バンドとして、5月に行われる北條五代祭りのパレードや、しおん職業センターでの夏祭り、 片浦地区の敬老会などでも演奏し、社会貢献をしています。
学校の農園は3年生までの児童が、トマトやなす、ピーマンなどの夏野菜や、ジャガイモ、タマネギなども作っています。 指導には地域の方がボランティアとして指導にあたり、草刈りなどの作業も地域や保護者の方に協力をいただいています。 平成25年度に給食調理場が新設され、農園でとれた野菜が給食の食材の一部として使われています。
放課後にも大きな特徴があります。「放課後子ども教室」が平成24年度からスタートし、 6年生までの児童が希望すれば最長午後7時まで子ども教室で過ごすことができます。 また、「英会話」や「料理教室」「生け花教室」などが講師の先生方に教えていただけます。 自由に遊んで過ごすこともでき、ときには宿題をここで教えてもらうこともあります。 土曜日や夏休み・冬休みなども開設され、児童が放課後の時間を安心して楽しく過ごすことができます。
真っ青な海と太陽の光をたくさん浴びて育ったみかんの里、「東洋のリビエラ」と称される片浦地域で、古くから愛されてきた小学校、それが片浦小学校です。 「おはようございます」と、元気なあいさつで始まる一日。少人数であるがゆえに、 先生も子どももみんな一緒になってまるで家族のように過ごし、保護者や地域の方からもたくさんの愛情をいただきながら、 和やかに、朗らかに、落ち着いた学校生活が営まれています。 地域外からの子どもたちも家族が増えたように温かく迎え入れ、生き生きと生活しています。 一人ひとりが主人公になれる、そんな学校が片浦小学校です。
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